第12回「家庭ですること・しないこと3」(平成31年3月)
更新日:2019年4月22日
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子どもが小学生の時期になると、「学校」という集団の中で多くのことを経験するようになります。
教科学習が始まることもありますが、
集団の中でのルールを守る・子ども同士のコミュニケーションで問題解決する・
教師と生徒、上級生と下級生などの関係性を理解する、
など「社会性」を身につけることがこの時期の特徴です。
就学前まで問題のなかった(ように見えた)子が、就学後に困難が明らかになることもあります。
(1)学習に関すること
(2)学校に馴染むことや対人関係のこと
が原因であることが多いようです。
子どもの小学校生活がうまくいってもいかなくても、基本を忘れないようにしましょう。
つまり「よい生活習慣の継続」と「子どもの良き理解者である」ことです。(前回、前々回コラム参照)
例えばこどもが学校を嫌がり不登校気味になったとします。
その際、「学校は行くもの」という親の価値観や希望を押しつける前に、
子どもが学校を嫌がる理由を聞くあるいは(聞き出すのが難しいことも多いので)推測し、
子どもの気持ちについて理解するよう歩み寄ってください。
親が味方だと分かると子どもは勇気が持てます。
さらに学校の先生にも理解してもらえるともっと勇気が持てます。
自信をもって学校に通うということは発達に課題のある子どもにとっては勇気のいることです。
周囲の理解が欠かせません。
そして、たとえ学校に行っていないとしても早寝早起き・しっかり食事をとるなどの基本の生活習慣をキープしましょう。
逆に学校に行くプレッシャーで生活リズムが乱れるのであれば、無理強いして登校させるのは考えものです。
一旦休息が必要かもしれません。
さて前述した就学期の課題(1)「学習に関すること」ですが、学力にはかなり個人差があります。
発達特性が学力に与える影響も大きいため、
学校の先生が首をひねるような学習困難がある場合は発達面の評価を受けるのが有用なことがあります。
こども未来センターや専門機関でご相談ください。
原因に応じて、適切な支援や合理的配慮のもとで学ぶことができます。
課題(2)「学校に馴染めない・対人関係」ですが、まず言えることは子どものわがままだと断定するのは間違いです。
また、学校や友達が悪いと決め付けるのも間違いです。
ほとんどの場合、学校(あるいは友達)と子どもとの相性の問題です。
わが国のほとんどの小中学校は「定型発達を想定した教育」を基盤としています。
このため少数派である発達障害またはその傾向のある子どもは、学校の中で居づらさを感じることがあります。
現在は特別支援教育や合理的配慮といった支援をうけることができます。
必要な支援を受けながらその子のペースで社会性を身につけることが大切です。
家庭では子どもの感じるしんどさや不安について理解し、一緒に対策を考えていきましょう。
学校の先生にも相談し、協力を仰ぎましょう。
学力も社会性も、一人ひとりの子によって小学校卒業時に目指すゴールは様々です。
発達特性をよく理解し、個別の目標設定をすることが重要です。
学校生活で成長するコツは「失敗から学ぶ」よりも「成功から自信をつける」ことです。
ですから、個別の目標設定は「必ず成功しそうな目標」にしましょう。
小さな成功体験を積み重ね自信を深めることは、来るべき思春期を乗り越え更に成長するための礎になります。