第36回 「発達障害の学習会」(令和3年12月分)
更新日:2022年2月21日
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こども未来センター診療所では、
発達障害をもつ子どもの保護者対象に「発達障害の学習会」を定期的に行っています。
親御さんに子どもの特性への理解を深めていただくとともに、
同じ悩みや不安をもつ親御さん同士の交流を目的としています。
内容は、専門医によるミニレクチャーのあと、ケースを通じたグループディスカッションを行います。
参加者に「今、お子さんのことで困っていること」を事前アンケートで聞き取り、
アンケート結果に基づいた架空のケースを提示します。
例えば「こだわりが強く偏食や癇癪の多さがあるAくん」などです。
グループディスカッションには診療所のスタッフ(セラピストや心理士)も参加します。
この学習会、以前は専門医・セラピストによる講義のみの形式でしたが、
3年ほど前から現在のような保護者にも参加してもらう形式に変更しました。
その理由は、子育てにおいて絶対的な正解はないということ、
専門家(と言われる私たち)の助言もよいが、
日々目の前のお子さんに精一杯向き合っておられる保護者のことばが
同じ悩みを持つ方々にとって一番響くのではないかと思ったからです。
グループディスカッションは本当に様々な意見が出ます。
「うちの子もまさにA君と一緒なんです!うちではこんな工夫をして、、、」
「以前こんな対応をして失敗しました~」
などなど。参加者はスタッフも含め、子どもへの対応方法についての引き出しを増やすことができます。
先日の会ではこんなことがありました。
偏食の強さについて、どう対応していくかを話し合っていた時、
あるお母さんが
「本当に大変だったけど、思えば以前より食べれるものも増えてちょっと楽になってます」
と語ってくださいました。
それを聞いた現在進行形で悩み中の別のお母さんは大変気が楽になったようでした。
様々な立場、経験をされた保護者同士のことばに大きな力を感じたエピソードでした。
このように、学習会は保護者中心に行います。
私たちスタッフは話し合いが円滑にすすむようお手伝いしていくわけですが、
話し合いに先立ってひとつだけ「このように考えてみて」とお伝えしていることがあります。
それは、
「子どもの(困った)行動をよく観察する」
↓
「発達特性に基づいて子ども側の思い・考えを想像する」
↓
「適切な対応とは?」
という思考回路をもつことです。
子ども側の思いを理解しなければ適切な対応に結び付かない、
ということだけは知っておいていただきたいからです。
学習会は年間4回実施しています。
詳しくはこども未来センター診療所内に掲示案内しております。ご参照ください。
※「発達障害の学習会」への参加は当センター通院中の保護者の方に限られています。
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、公式twitterで随時お知らせしております。引き続きご参照ください。