【広田】「山がつゝじか つゝじが山か(西宮音頭より)」
更新日:2022年1月25日
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広田山のコバノミツバツツジ
春といえば桜。近年、地元だけでなく、市外から夙川へ花見にお越しになる方も多くなりました。しかしひと昔前、花見といえば広田山のツツジが知られていました。
桜とほぼ同じ頃に咲く濃いピンク色の花が、若葉の緑とともに春の陽射しに映え、人々を誘います。
満山つゝじの廣田山
廣田神社の創建は古く、「日本書紀」にも記述が見られ、県下でも有数の歴史と格式を誇る神社です。
この廣田神社境内一体を広田山とよびます。春になりツツジが山いっぱいに咲き誇るさまを「満山つゝじの廣田山」と称しました。
このつつじは「コバノミツバツツジ」という種類で、低山のとくにアカマツ低木林に多く見られ、葉が小枝の先に三枚輪生する特徴があります。紅紫色の花が多数咲き、周囲の松林の中に鮮やかな色彩を放ち、桜とはまた違った美しさで愛でられています。
パンフレットに紹介された広田山のつつじ(浅田柳一氏資料)
広田山には元禄時代から群生し始めたといい、元禄・寛永・正徳の頃(1688年~1715年)に栽培され、樹齢が150年以上のものも残っています。植物学の権威者牧野富太郎博士も、その様子を「ただ三葉千萬人をおびき寄せ」と一句詠み、絶賛しています。
阪神電鉄が発行した戦前のパンフレットには、鳴尾のいちご狩り、サクラの武庫川遊園、武庫川のシジミ狩りなどとともに、西宮の観光案内には必ずといっていいほど広田山のツツジを紹介しています。
阪神電鉄東口駅と国道電車 西宮駅前からは直通バスが運行されていました。
つつじの花見
20万株を誇ったツツジも戦時中燃料として狙われ、また昭和40年代は排気ガスの影響で枯れ始めたことから、昭和44年3月県の天然記念物に指定され保護育成されるようになりました。
近年は市民の協力を得て植樹に力を入れ、少しずつ群落を増やしています。
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