市長と性的マイノリティ当事者の対談~その2「困ったこと・良かったこと・就職」~
更新日:2021年3月24日
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令和2(2020)年11月、石井市長と性的マイノリティ当事者の大学生との対談を実施しました。
当事者の3人は、性的指向や性自認に関わらず自分らしく生きることができる社会を願って、今回の対談に参加してくれました。
この対談が市民の皆さんにとって、「他人事」ではなく、「自分事」として性の多様性について考えるきっかけになることを願っております。
自分の子どもが、家族が当事者だったらどうするか・・・
友人が当事者だったらどうするか・・・
職場の同僚が当事者だったらどうするか・・・
そんなことを考えながら、ご覧ください。
その2は「困ったこと・良かったこと・就職」についてです。
参加者について
Aさん:大学4年生。趣味はゲーム。社会福祉士、精神保健福祉士を目指している。
Bさん:大学4年生。趣味は読書。会計士を目指している。
Cさん:大学3年生。日本文学が好き。就職は一般企業を希望。
困ったこと
市長:今までに困ったことはありましたか?
A:中高生の時は一人で悩んでいました。女子高に通っていたのに、女性であることに違和感を覚えている自分がいて、すごく悩みました。Xジェンダーという言葉をもっと早く知りたかった。男性コミュニティに行っても女性扱いされることがあるので居心地悪く感じることもある。身体的には女性なので、医療は女性として扱わざるを得ないと思っていますが、アンケートなどの性別記入欄が男女別のみだと記載しづらいです。
B:家探しで困った。同性カップルとしての同居はできませんと断られました。そういう条件で入居できる物件は非常に限られています。異性カップルだとすんなり審査が通るのに、なぜだめなのだろうと思いました。
C:同性愛やセクシュアリティについて、笑いのネタにされたり、からかわれたりするのがつらかったです。
良かったこと
市長:こんな言葉をかけられて良かったとか、こういう対応が嬉しかったということはありますか。
A:自分の女性としての名前にも違和感があり、通称名を使用しているが、それを使ってもいいよと言われたとき。あと、LGBTサークルの存在で色んな人と関わり合いが持てたこともありがたいです。
B:カミングアウトされたときに受け入れられたことが嬉しかった。現状の社会では受け入れられづらいことを「(性的指向は)関係ないよ!」などの言葉をかけてくれて、以前と変わらず友人でいてくれたことは嬉しかった。
C:大学でジェンダーやセクシュアリティの講義を受けることができたこと。この対談のように、話を聞いてくれたり、理解しようとしてくれる場があることが嬉しいです。
就職について
市長:就職についてはどうですか?
C:就職活動中ですが、髪を短く切ったり、スーツを着用したり、性別で服装や髪型のルールが厳しい会社だと困ります。あと、男性が多いコミュニティが苦手なので、男女の比率が気になります。
B:私は、元々教師になりたかったのですが、自分の性的指向が周りの人に伝わったときにどう対処すればいいか分からないし、どんな将来があるのかとても不安で…。今は教師の夢は諦めて、会計士を目指しています。手に職をつけていれば、同性婚などの制度が整っている海外でも生活できる可能性もあるので…。
A:私は社会福祉士や精神保健福祉士を目指しています。もともと福祉分野には興味がありましたが、資格をとろうと思ったのは自分自身がXジェンダーであることが少なからず影響があります。自分が性的マイノリティだからこそ、福祉分野で活かせることがあるのではないかと思っています。
市長:性の多様性への理解が社会に浸透していないことが、職業選択に影響を与えている側面があるかもしれないですね。
※その2はこれで終了です※
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