西宮市市制施行100周年特別企画
西宮市長 × 大学生 対談
ネット社会にこそ、リアルな出会いを

入谷 遥さん:関西学院大学法学部3年生生まれも育ちも西宮の、宮っ子好きな食べ物は柿 
		松岡 祐結子さん:龍谷大学国際学部1年生。西宮で育ち、今は京都在住。好きな食べ物はパエリア
		石井 登志郎市長:第14代西宮市長。西宮在住20年。好きな食べ物はドライイチジク
		田中 篤さん:兵庫県立大学大学院2年生。3年前から西宮在住・好きな食べ物はラーメン

西宮市は、今年4月に市制施行100周年を迎えます。そんな特別な年を記念し、西宮を起点にさまざまな活動をしている3人の大学生と、石井市長の対談を行いました。 西宮の次の100年に向けて、「受け継ぐべき西宮」と「変わるべき西宮」の姿を、未来を背負う学生たちならではの視点で、石井市長と一緒に考えます

西宮を起点に活躍する学生たち

今どんな活動をしているの?

市長:西宮を起点に活動しているということだけど、普段どんな活動をしているの?

まちをリアカーで走る「だがしやあつし」

田中:大学では情報セキュリティ科学を学んでいます。いわゆる、企業や個人のプライバシーを守るための暗号の研究です。 大学外では、「だがしやあつし」という駄菓子屋を営んでいます。リアカーに駄菓子を乗せて走り、出張型で駄菓子屋を展開する、というスタイルです。

市長:駄菓子屋!普段はどの辺りでやっているの?

田中:鳴尾に住んでいるので、阪神沿線の鳴尾辺りを走っていて、場所は子供たちとの口約束で決まります。「アナログであること」を大切にしているので、急きょ行けなくなった時は連絡できないのですが…(笑)

入谷:どうしてリアカーなのですか?

田中:経費削減のためにリアカーで始めたんですが、その姿が話題になったのでスタイルとして定着したんです(笑)

食文化を通じた国際交流団体「CoLoRe」

松岡:大学では国際学を専攻しています。授業は基本的に全て英語で、身近な話題から世界の文化や政治について学んでいます。 大学外では、京都で、食文化を通じた国際交流団体「CoLoRe(コロレ)」を運営しています。昨年度委員長を務めた、Youth委員会(※)で得た経験を生かし、私が立ち上げました。

市長:立ち上げたんだ!すごいね!どんなことをしているの?

松岡:数カ月前から、「国籍を問わず日本語が話せること」を条件にメンバー募集を開始し、今は運営について話し合っている段階なのですが、 「国内に小さな地球をつくること」を目指しています。食文化を通して、外国の人との交流の場を地元規模で増やし、未来につなげる活動をしていきたいです!

(※)Youth委員会…高校生が、市の課題と考えるテーマについて調査・研究を行い、意見や政策を市長に提案する市の取組

SDGsを軸とした地域の活性化

入谷:大学では、政治学について学びながら、「KGSDGsキャンパスサポーター」の代表を務め、SDGsの推進活動をしています。 大学外では、大学交流センターの大学交流協議会事業として「SDGsイノベーションサミットin西宮」を立ち上げ、活動しています。

市長:SDGsを軸にいろいろな活動をしているんだね!どうしてSDGsに興味を持ったの?

入谷:もともと興味の幅が広く、いろいろなことに取り組みたいと考える私には、 17のゴールを持つSDGsが向いていると思ったことがきっかけです。

市長:なるほど!どんな活動をする団体なの?

入谷:SDGsの理念の普及や市内の課題を調査・発信する活動をしたり、企業や団体へフィールドワークをしています。 10月に開催された、「にしのみや市民祭り」にもブースを出展しました!

市長:3人とも、目標や意志をしっかり持って意欲的に活動しているんだね。行政では気付けないことに気付くきっかけがたくさんありそう!

田中さんおすすめスポット
ソーシャルスクエア西宮前

(中前田町1ー27ラビットビル)

不定期開催で、地域の方々との交流会が行われています。ほんわかゆったりとした雰囲気なのでおすすめです!
松岡さんおすすめスポット
春の夙川河川敷緑地


春は満開の桜が咲き誇り、毎年友人とお花見をしています。桜が大好きな私にとって、 思い出の詰まった大切な場所です!
入谷さんおすすめスポット
甲山自然学習館

(甲山町67番地)

西宮市内の生態系や、甲山周辺の自然環境について常設で展示されていて、 環境問題を考える出発点的な場所です!

ココがいいよね、西宮

西宮のどこが好き?魅力は?

市長:これまで西宮市で生活やさまざまな活動をしてきたと思うけど、西宮の「ココが魅力だな~!」「好きだな~!」と感じるところはある?

教育機関の充実!小連体・中連体!

松岡:私が思う西宮の魅力は、教育機関が充実しているところです。私の両親が西宮市に引っ越してきた理由でもあります。 また、小連体・中連体も自慢です!阪神甲子園球場の中に入れるので、野球好きの友達にうらやましがられます。

市長:松岡さんは今18歳だよね?二十歳のつどいの時に、もう一度球場に入れるチャンスがあるよね!

松岡:そうですね!2年後が楽しみです!

参画と協働を軸としたまちづくり!

入谷:私は、参画と協働を軸としたまちづくりをしているところが魅力だと思います。 市をより良くするために、さまざまな活動をしている市民が多い気がします。

市長:それはうれしいコメント!「西宮といえばこれ!」というものでなくても、 さまざまなことに取り組める環境があることが要因かもしれないね。

入谷:なるほど!そういった部分が西宮市のシチズンシップにつながっているのですね!

平坦な道が多く自転車社会なところ!

田中:僕は、自転車でどこまでも行ける、道の平たんさが魅力だと思います。3年前までは坂道の多い所に住んでいて、移動手段は車が基本でした。 今は、移動手段が自転車なので、街中の井戸端会議に出くわすことが増えて、そういったアナログな感じがいいなと思います!

市長:アナログが好きな田中さんならではの視点だね!地形の影響だけでなく、親しみがあって住みやすいまちの雰囲気も、 そういったコミュニケーションが増える理由の一つかもしれないね。

市長:さまざまな角度で西宮市を見てくれているんだね。これからもたくさん魅力を見つけてもらえるとうれしいです!

必要なのはリアルなつながり

未来の西宮に求めるものは?

市長:皆さんが西宮市のことを魅力に思ってくれている一方で、「今の西宮市には足りないな」「未来にあったらいいな」と思うものはある?

市内の学校に通学する学生と西宮市のつながり!

入谷:市内の学校に通う学生に、西宮市の魅力を知ってもらう機会があればいいなと思います。 特に私は観光案内が好きなのですが、通学で西宮市に来ても遊ぶ場や集まる場が少なく、せっかくの良さを伝えられないのが悔しいんです…。なので、もう少し学生と市のつながりが増えるとうれしいです!

松岡:私も、若者が遊べるような施設があればいいなと思っているんです!

市長:なるほど!今、大学交流センターと市民交流センターの再編を進めているんだけど、 「こういうことがしたい!」という要望をかなえられる場になるといいなと思っています!

まちの人たちのクエストボード!

田中:僕は、ボランティア活動でも、未来のために必要なものには対価が支払われるような価値観が、市民の間で生まれたらいいなと思います! そういった意識こそ、持続可能なまちへの第一歩になると感じています。
また、地域参加をしている層の偏りをなくすことができればもっといいなと思います。例えば、市民の皆さんの日常の困りごとを解消すると何かがもらえるなど、ゲーム感覚で地域参加ができるクエストボードのような仕組みがあれば、 さらに参加者の幅も増えるかもしれないですね!僕ならすぐに飛びつきます(笑)

市長:そうだね!お金でなくても、その都度ポイントが還元されるような仕組みがあれば、 それぞれの地域が持つ課題解決力も向上するかもしれないね!

若者が遊べる国際交流施設!

松岡:若者が遊べる国際交流施設があればいいなと思います!私自身、留学を諦めた過去があるので、国内で国際交流ができる場があれば、 同じような境遇の人でも交流を楽しめると思います。また、最近は市内で外国の人とすれ違うことが増えたと感じているので、地元で国際交流ができる「グローカル」な施設があれば、気軽な交流にぴったり なのではと思っています!

市長:確かに外国の人は増えてきているね!国際交流施設を作るのではなくて、今ある施設を利用して交流を企画する方が、 実現性と参加しやすさの両方でハードルは低いんじゃないかな!

市長:どれも未来の西宮市には必要だと感じています。希望に応えられるように、市としてもさまざまな施策を考えていこうと思います!

西宮と共に未来へ

これから頑張りたいことは?

市長:西宮市は今年4月に100周年を迎え、より良いまちを目指して新しいスタートを切ります。 皆さんは未来に向けて頑張りたいことはある?

アナログなことで生計を立てる!

田中:僕は、「不便で面倒なことにこそ価値がある」と思っています。AIが普及した今だからこそ、 アナログをデザインして文化として定着させ、10年~20年後には、アナログでも生計を立てられるような社会の第一歩になりたいです!

市長:いいね!人間ならではのこと、人間にしかできないことはたくさんあるからね!

田中:コピーができないアナログの世界だから生まれるものや価値を大切にしたいですね!

国際交流団体「CoLoRe」を成功させたい!

松岡:私が立ち上げた「CoLoRe」を成功させることです。海外で得た知識を国内で還元したいと思えるような仕組みを作り、人材の海外流出を防ぐことが目標です!

市長:なるほど!日本の価値向上にもつながりそう!付加価値の付け方が大切だね。 ちなみに「CoLoRe」にはどんな意味があるの?

松岡:フランス語で「カラフルな」を指します。「Collaboration(協力)・Local (地元の)・Respect(尊敬)」の頭文字でもあります。

市長:へぇ~!そんな意味なのか!文化や価値観の違いを尊重していこう、という感じかな?

松岡:そうです!日本の素晴らしさをもっと知ってもらって、将来的には、 雇用を生み出せるような取組をしていきたいです!

「分からなさ」に向き合い続けたい!

入谷:分からなさに向き合い続けることです。SDGs活動を通して学んだ、 「誰一人取り残さないこと」と「公正さを追求すること」を大切に、他人への素朴な興味を忘れずにいたいです!

市長:生きていると、いろいろな人に出会う機会があるから、そういった意識は大切だね!

入谷:これまでいろいろな人とお話してきた中で 得た学びなので、これからの活動にも生かしていきたいです!

西宮市で得た経験をもとに、さまざまな分野で活躍する人たちがいることをとても誇りに思います!「人との直接的な関わりを大切にしたい」という思いは、西宮市も大切にしたいポイントです。 市制100周年を迎えられたのも、ひとえに市民の皆さんのおかげです。これからも皆さんとの関わりを通して、より良いまちづくりに励んでまいります!今年もよろしくお願いいたします。

西宮市長 石井 登志郎

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