令和6年7月(鳴尾なる 一本松へ 南風)
更新日:2024年8月10日
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てくてく歳時記
令和6年7月
「高砂や この浦舟に帆を上げて 月もろともに出汐の 波の淡路の島影や 遠く鳴尾の沖過ぎて はや住之江に着きにけり」という謡の一節が有名な、能を代表する「高砂」。人生を言祝ぐ大変めでたいこの能に、堂々と鳴尾が謡われていることから、鳴尾が重要な場所であったことが分かります。航海者の目印になっていたという鳴尾の一本松は、多くの和歌にも詠まれる名所でもあります。
その松の五代目が、今も里中町の一本松公園にあります。結婚式などで「高砂」が謡われるたびに、鳴尾の松の情景が浮かんでくるようです。この松が平安時代の歌人にも由緒ある松と思うと、ありがたみを感じるとともに、こうした歴史に私たちのまちが登場することを知ると、誇らしい気持ちにもなります。
さて、能には「高砂」だけでなく、「西宮」という演目もあります。これは室町時代の作品で、西宮神社(広義での廣田神社)を舞台とし、荒戎の神・龍神・末社の神などが登場する荘厳な舞の舞台です。こちらは平成2年に西宮在住の能楽師によって復曲・上演されたそうですが、市制100周年となる来年度にも、この演目の披露に向けて企画が進められています。実現することを期待したいですね。
≪写真≫ 五代目の一本松(里中町2丁目)
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