令和6年6月(花卯木 かむさるように 百間樋)
更新日:2024年7月10日
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てくてく歳時記
令和6年6月
約450年前、武庫川の水を段上・上大市・下大市・門戸・高木の五ヶ村に引くために「百間樋」と呼ばれるかんがい施設が作られました。そのかんがい路は天井川である仁川の川底をくぐらせ、百間(約180m)ほど掘り抜いたものです。重機もない時代に、人力で成し遂げる当時の人たちの技術力、行動力に感服するばかりです。この百間樋を含めた水路は、五ヶ村を中心として結成された組織、井組によって今も維持管理が続けられています。毎年初夏に戸開式が行われ、市内の水田に水を送り出し、地域の農業を支えています。また、昭和39年から平成23年までは、本市上下水道局もこの百間樋から取水し、水道水として使用していました。
現代では、ありがたいことに蛇口をひねれば好きなだけ水を使うことができますが、つい数世代前までは渇水や洪水に悩まされ、水を巡る争いも多かったと伝えられています。
そうした先人の苦労と数百年にもわたるこの百間樋の歴史から、私たち人間や多くの生き物が恩恵を受けてきたことに深い感銘を覚えます。こうした貴重な歴史を知り、守り、受け継ぐことを通じて、潤いある西宮のまちを守っていきたいと思います。
≪写真≫ 仁川の川底をくぐった先の出口部分の様子(百間樋児童遊園南側)
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