市長コラム 令和2年(2020年)5月
更新日:2020年5月7日
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「ポストコロナ」に向けて踏ん張る五月に
政府は4日、緊急事態宣言を延長、兵庫県からも対応方針の見直しが発表されました。
今後に向け、本市としてもこれまでの対応に加えて必要な対策を講じていくこととなりますが、まずは本市における感染者の確認状況について整理したいと思います。
3月1日に本市において初の新型コロナウイルス感染症陽性患者が確認されてから、今日まで70例が報告されています。一週間ごとの陽性患者確認数の推移は次の通りです。
ご覧の通り、3月末から4月中旬までにほとんどが集中しています。
この間に緊急事態宣言が発令され、4月下旬以降の新規感染者数は限定的となっています。これまでに、市の保健所の人員拡充や機能強化を図り、市内の接触者外来を増やし(当初2か所→現在6か所)、民間のPCR検査機関も活用するとともに、県が中心となり軽症者や無症状者が療養する施設も稼働させ、地域での医療環境強化を進めてきたところです。医療関係者の皆様のご尽力に、重ねて御礼申し上げます。
感染者に関する傾向については、西宮市での事例を見ると、30代から50代の感染者が増加傾向にあります。また、「女性」よりも「男性」が多く、年代は「30代から50代」が全体の7割を占め、その7割~8割の方が会社員等です。ここから見えるのは、いわゆる現役世代で社会活動をしている方々は、子どもや高齢者と比べて自粛がしにくい、もしくは自粛が徹底されていないということではないかと思います。この傾向を見る限り、社会との関わりを持ち続けざるを得ない大人の世代の行動が、今後の感染拡大防止の鍵を握っていると考えるべきでしょう。
もう一つ、ご紹介するデータがあります。それは、市内主要駅周辺の人流データ分析です。Yahoo! JAPANのデータソリューションというビッグデータを活用して人々の流れを大まかに掴んだものです。
概して言えば、日曜祝日の集客施設のある駅周辺については、感染前よりも7割以上減という成果を継続できておりますが、平日は半減程度に留まっています。つまり、自粛がしやすい買い物やレジャーに関しては一定の人流抑制が果たされていますが、普段の日常生活における人の流れの抑制は限定的と言えます。ここにも、30-50代、男性、会社員等という要注意層の行動が今後も大切と解することができます。
(※データの特性上、もともと駅周辺の居住者も含まれることから、住宅地の駅周辺は減少幅が限定的となっています。)
今後についてですが、これから西宮市内において新規感染者数が未確認ないし減少し続けたとしても、コロナウイルスがこの世から消えてなくなる、ということはあり得ないと思います。そこで、まずは感染拡大の流れを収束させ、同時に、今後しばらくはコロナへの対策をしながら社会活動の再開を見据える、つまり「ポストコロナ」の時代に向けて踏ん張りながら準備に入る、今回の緊急事態宣言の延長期間をそんな時間にしていきたいと考えています。
市としても引き続き、感染拡大の防止と市民の皆様への支援に全力を尽くしますが、市民の皆様と力を合わせなければ、この事態を乗り切ることはできません。何とぞ市民の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。
令和2年5月6日