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平成28年7月14日 市長記者会見

更新日:2020年4月3日

ページ番号:98669851

西宮湯川記念こども科学教室


【発表項目】
(1)防災啓発紙芝居について
(2)西宮市地域防災サポーター制度について
(3)保育士リクルートバスツアーについて
(4)保育所整備候補物件の募集について
(5)市民べんり帳のリニューアルについて

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【会見の要旨】

1.防災紙芝居について

【市長説明】西宮市では子供たちへの防災教育を進めるために、防災紙芝居というのを作りました。目的は、災害に対する心構えとか防災意識の向上について、子供のときから防災教育をしておくことが大事だろうということで、こういうものを作りました。皆さんご案内の「釜石の奇跡」とか、子供たちが学校とか色んなところで、色んな勉強ができていると地域防災にもすごく関心が高まるだろうと。子供たちは将来、地域の担い手になっていきますので、こういったものを見せていこうと。ストライクゾーンは小学校低学年とか幼稚園とかかな、と思っています。地震や津波が起こった場合の心構えに関心を持ってもらって、意識に残るような防災啓発を行うためにこれを作りました。
「おおきなじしんがきたら」というタイトルで、大体の流れを言うと、小学校低学年の男の子・しょう君が一人で留守番をしているときに地震が発生します。日ごろから家族で津波避難ビルの話をしていたので彼は津波避難ビルに避難できます。そして、無事にお母さんに会えます。という物語になっています。
地震の揺れから身を守ることとか、1分以上の大きな揺れだったら津波が来る可能性が高いから津波避難ビルの3階以上に逃げましょうという行動をわかりやすく啓発するような内容になっています。これの企画やシナリオを作ったのは西宮市役所の防災啓発課です。イラストやデザインは高井さんという方です。あと、これを音声吹き込みで動画にしたものをYouTubeで上げているのですが、その音声吹き込みは、さくらFMさんにお願いしています。なので、市とNPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク、さくらFMの3者で、共同で作りました。ちなみにこの物語の主人公のしょう君という子が津波避難ビルで女の子のゆうちゃんという子に会うんですけれども、このデザインを担当していただいたNPO法人日本災害救援ボランティアネットワークの高井さんが、実際に阪神淡路大震災のときにお子さんを亡くされているんです。そのお子さんとイラストを描いてくれた娘さんから頂いた名前です。作ったときに高井さんから、二人の名前を使っていただけたらというお話がありましてこういうふうにしました。紙のほうは幼稚園に提供します。学校に対しては、学校が使う市のイントラネットがありますので、そちらに置いて使っていただきます。あと、先ほどもちょっと申しましたが、一般の方にお使いいただけるように市のホームページとかYouTubeとかでこれを音声入りでご紹介しております。

【質疑】
記者:高井さんのお名前を確認したい。
市長:高井千珠さんがこのボランティアネットワークの方で、イラストが高井優さんで、高井千珠さんの娘さん。この優さんのお兄ちゃんにあたる方がしょう君で、震災で亡くなられています。

記者:高井さんは、絵本のときはひらがなで「たかいちず」と書かれているが、今回は漢字で良いのか。
当局:使い分けについては聞いていませんが、今回は漢字で良い。

記者:紙芝居の枚数は何枚か。
市長:18ページです。

記者:印刷したものは私立の幼稚園や小学校にも貸し出し可能ですか。
市長:私立幼稚園にも「こういうものを作りましたよ」とご案内しています。貸し出しもできます。

記者:問合せ先は防災啓発課でよいのか。
当局:そうです。

2.西宮市地域防災サポーター制度の創設について

【市長説明】
これは、大規模災害発生時に地域の企業や事業所さん、店舗等が、それぞれの企業等ならではの人的・物的な資源を活用して地域の被害軽減や早期復旧などに貢献していただくという制度で、7月1日から始めました。この経緯は、実は西宮市で「地域防災サポーター制度を作ろう」、「そしてこれをぜひやってください」と先に呼びかけたわけではなくて、西宮建設協会さんからのお申し出なのです。建設協会さんとは災害時の協定を結んでいて、例えば道路の復旧であるとか、「崖が崩れているのですぐ行ってください」とか、そういったことをしていただくという協定を結んでいます。その場合には、もちろん費用が発生しますが、西宮建設協会さんのほうから、そういう仕事でやる分とは別に地域にボランティアで貢献したいということを言っていただきました。そういうところから、こういう制度を作ろうというふうになりまして。事業者さんは、なかなか地域で周りの住民の方と繋がりが薄いこともあります。「あそこの工場は何をしている工場なのだろう?」、「あそこの会社は何をしているのだろうか?」とか、あまり地域の方と関わりがない企業さんもありますので、ぜひ、こういうサポーター制度を作って「地域の防災活動に参加してください」と。これはどういう制度かと言うと、「大規模災害の発生時に、被害軽減や復旧のためにボランティアで活動してください」、「平常時にも可能な範囲で地域の防災活動に参加してください」と。具体的なご協力は、先ほども申しましたが、企業ならではの人的・物的資源があったりします。今回、建設協会さんと申し上げましたが、例えばバールであったりとかチェーンソーであったりとか、そういうものがあれば下敷きになった方も助けられたのに、みたいなことがあるときに、建設協会さんであれば、そういうものをお持ちなので、「そういったものを持っていってあげますよ」と。そういうふうなサポーター制度でございます。「登録ステッカー」を企業さんに貼ってもらって、「あそこの会社さんは災害時にうちの地域に貢献してくれる会社さんなんだ」ということをわかるようにしてもらおうかなと考えています。この「登録ステッカー」を配布して、協力サポーターさんになっても良いよと言っていただいた事業所さんは市のホームページ等で広く周知もしようと思っています。現在のところ、登録第1号は一般社団法人西宮建設協会さんです。45社中の37社さんから、既に協力事業所としてのご登録をしていただいております。

【質疑】
なし

3.保育士リクルートバスツアーについて

【市長説明】西宮市はご案内のとおり、待機児童の対策が急務となっているのですが、市ができる政策だけでは限界がありまして、何と言っても保育士さんの確保が難しい。市として予算を取って保育所を作ろうと思っても、事業者さんが「保育士が足りないのでこれ以上、事業を広げられません」みたいなことにもなってきつつあります。なので、西宮市の保育所さんの採用の支援をしたいということでこういった事業をします。保育所に就職してもらうために希望者に対して保育所の雰囲気とか保育の方針、そんなことを知ってもらうという意味でやっております。バスに希望者は乗っていただいて、市内の保育園を回っていただいて、普段の保育の様子を見学していただき、そのうえで西宮市内の保育所に働きたいなと思ってもらおうと思って、こういったことを実施しています。
概要としては、日時が9月5日から8日の、合計4日間です。それぞれ10~17時頃、半日回っていただくと。同じルートではなくて、4エリアに分けて、各日程、1エリアずつ回ります。私立の民間保育所20園と認定こども園1園を回ってもらいます。対象者は保育士を目指す学生さんと、あとは潜在保育士さんです。各日程とも、定員を15名、合計60名としておりまして、5月29日に同様の目的をもって「保育士就職フェア」というのを民間の保育所さん、保育協議会さんが市と協力してやったのですが、そちらのほうで優先申込もしていただいておりまして、今のところ46人います。なので、まだ枠はございますのでぜひ、ご応募ください。5月29日にお越しいただいたお客様は101人。そのうちの46人から仮登録をいただいております。主催は西宮市保育協議会で、西宮市と共催になります。参加方法は、事前の申込をいただきたいと思っておりまして、8月15日までに、西宮市保育協議会のホームページ、またはFAXでお申込ください。参加費は無料となっております。

【質疑】
記者:定員に達したら募集は終了ですか。先着順になるのですか。
当局:既に5月29日に実施した事業の参加者から46名の仮予約が入っています。しかし、まだ本申込はほとんどされておりません。定員を超えた場合は抽選とさせていただきますが、仮申込をされている方については優先します。

記者:既に定員に達しているコースはあるのか。
当局:まだありません。

記者:「潜在保育士」とはどのような定義で捉えていますか。
当局:免状を持っておられるが、いまは保育士として働いていらっしゃらない方。

記者:例えば、市外の保育所で働いている方で西宮の保育園で働きたいといった方は対象になるのか。
当局:保育士として働いていらっしゃる方は「潜在」ではないと思うが、保育士の免許を持っていらっしゃって、それ以外の仕事に就いていらっしゃる方が結構多いので、そういう方であるとか、在家庭で昔、免許を取っていて子育てが一段落した方に戻って来ていただくという主旨で実施します。

記者:では、別のところで保育士をされている方は、今回の対象者ではないということか。
当局:特に限定はしていませんので、免許を持っていらっしゃれば申込は可能です。

記者:ターゲットとしては限定しているけれども、というところか。
市長:学生と潜在保育士をターゲットとしています。

記者:見学できる保育園は就職できる可能性があるところですか。
市長:もちろんそうです。

4.西宮市民有地マッチング事業~保育所整備候補物件の募集~について

【市長説明】こちらも保育関連の事業なのですが、これも待機児童解消のための取り組みのひとつとして、保育所を開設するための土地、または建物を募集します。市はこれまで、保育所整備を中心として10年間で2300人分の定員増を図ってきたのですが、これでもまだ足りない状況です。特に、近年は保育所を整備する用地が足りないということでなかなか進まないという現実もあります。
今後は、こういうマッチング事業も行っていこうと思っていまして、特に保育需要が高くて土地の確保が困難な地域を募集したいと思っています。夙川のエリア、西宮北口から門戸厄神のエリア、JR甲子園口から阪神甲子園ぐらいのエリア。これはそれぞれ待機児童が多いエリアであったり、今後、保育需要の増大が見込まれるというエリアです。そういう所に土地をお持ちの方とか建物をお持ちの方が「よかったら、これ保育所に使いますか?」ということで応募していただければありがたいなと思っています。土地としては50人定員を想定している450平方メートル以上の土地から90人定員を想定できる1000平方メートルくらいの土地を持っている方とかに「うちの土地でよかったら」とお申し出いただければと思っています。あと、建物としては概ね200平方メートル以上の広さがあるもの。イメージとしてはコンビニだったものとか携帯屋さんだったところを想定しています。射抜きで使いますか、みたいなところですね。また建物の場合には園庭が地表で確保できること。部屋とかではなくて、「マンションの何階の部屋がどうですか」とか「何階のテナントが空いています」とかではなくて、園庭が地表で確保できるもの。また、屋上を園庭とする場合は屋上施設として便所とか水のみ場を設けることができること。という、要はそのまま保育園に使える土地・建物をお申し出いただきたいなと思っています。市がやるのはマッチングだけでして、もちろん、契約は不動産事業者でやっていただきます。応募は9月30日までに兵庫県宅地建物取引業協会芦屋・西宮支部事務局さんに言ってください。
【当局補足】
9月30日までは土地についてで、建物については8月31日までとなっております。建物については、できれば平成29年4月からの開設が可能にできればと思い、締め切りを前倒しさせていただいております。

【質疑】
記者:契約形態はどういった形になるのか。
当局:地主さんと保育所の運営事業者で、場合によっては所有権移転や借地・借家権の設定など、両者でのお話になります。

記者:保育園を開く場合の近隣住民対策については、今回の事業では行政はタッチしないのか。市長:サポートには入りますけれどもね。
当局:今後、市有地の公募をするような形になりますし、その場合はできるだけサポートするような話にはなっています。また、民有地マッチングについては、マッチングをする際に、応募があったところを全て受けるのではなくて、条件に合っているかということと、マッチングしたあとに揉め事が起こるのではないかと思うところは篩いに掛けさせていただくということも市として判断させていただくことになります。

5.「市民べんり帳」のリニューアルについて

【市長説明】
この市民べんり帳は2年に1回発行しておりまして、全戸配布しております。あとは、転入者に窓口での手続き時に配布しております。従前は市が経費を出して作っていたのですが、2012年度から官民協働事業として株式会社サイネックスさんと共同制作しています。このサイネックスさんは全国でこの事業をしている会社で、要はこの中に広告を取ります、ということによって、この印刷代であるとか配布代であるとかをやっていただける。ということで、これを2年に1回発行しているのですが、今は市の負担はございません。
今回は「べんり帳がリニューアルされました」だけではなくて、いつもは2年に1回の時点修正だったのですが、完全に内容を見直しました。本当にこれは便利なのですか、とか、見たい情報にすぐ行けますか、とか、こんなページを誰が見ますか、とか、ここにこういう内容が載っているべきではないですか、とかをしっかり見直しまして、だいぶん改善しました。そもそも、表紙も無難なものがあったのですが、表紙に「これをとにかく知らせたい」というものを書きました。救急のダイヤルであるとか、夜間休日病院。こういったものを使う人がいちばん見たがりそうなもの。「救急病院はどこに載っているか」と言ったときに表紙にちゃんと載っている、というふうにしたいと思いました。そして、表2対向にどこも「市長のあいさつ」みたいなものが載っているんですが、それをやめて「使い方」を、「この本はこういう風なページとかから見たらいいよ」とかを案内するページに変えました。べんり帳の使い方ページですよね。あとは何と言っても、本当に使いやすい括りとは何か、というところですね。けっこう束ねました。とても細かく分かれていたりとか、分かれ方が、確かに行政の窓口は分かれているけれども使う人にとっては本当に分かれてて良いのかしら、とかいうものがいっぱいありました。あと、工夫した点は、10ページにある「ライフサイクル・インデックス」。要はこれを使う可能性が高いもの。例えば、ちょうど結婚しました、などの場合に色んな手続きがあります。身内の方が亡くなりましたとか、そういったときに、いっぺんに「あれもしないとダメ、これもしないとダメ」というもののページがどこになっていますか、というものをライフサイクルで。「お子さんが生まれましたというときのページはここら辺ですね」とか「お子さんのことでしたらこんなページのところが使えますね」とか「子供さんが学校に行くならこんなページがありますね」みたいなことで「ライフサイクル・インデックス」というのを付けました。あと、地域ごとの地域情報ページというのを作りました。と申しますのも、公民館とか市民館とか施設とかの住所だけが載っているのが従前にもあったのですが、住所だけでどこかわかる人ばかりではないと思うので地図が要るだろうと。地図が要るんですけれども、一般的に利用する施設というのは、やはりお住まいのところから一番近いところを見られると思うので、24ページをご覧いただけると分かりやすいと思うんですけれども、その地域のその施設はどこにありますか、というマップをエリアごとに作る。そしてオマケ的に前のページにはその地域の素敵なところとか、是非、地域の人にぜひ知ってほしいな、と思うものなんかも作りました。あと、施設ガイド。128ページをご覧いただきたいのですが、利用目的別に変えました。「スポーツ施設」という中に、ただリストがあったのですが、「体育館」とか「グラウンド」とか「テニスコート」みたいなふうに分けてみたり、「文化施設」というふうにマルっとなっていたところも、「ホール」とか「ギャラリー」とか「資料館」とかに分けました。あと、全ページそうなのですが、例えば98ページとかご覧いただいたら、「ごみ・上下水道」とあって、従前のものはそこから情報がベタで載っていたのですが、まずリードが付いています。「このページにはこんなことが書いています」、「この章のなかでこれは何ページ、あれは何ページですよ」というように、リード文と小さくいんを付けました。こういうふうに、結構まじめに見直しまして、時点修正のみならず、本の使い勝手としてどうでしょう、というのをちゃんと見たうえで作りまして、7月19日から全戸配布を開始いたします。全戸配布なので、25万7千冊作ります。全戸配布分が23万冊、転入者にお配りするためのものを2万7千冊作ります。先ほど申し上げた、これを作ってくれたサイネックスさんが19日から全戸配布を開始しますが、そこから約3週間掛けてお配りいただくので楽しみにお待ちください。合わせて、袋の中に西宮市の地図も入っています。

【質疑】
記者:全戸配布をされるとのことだが、今後、市のホームページでPDFを掲載するなど考えているか。
当局:サイネックスさんが電子書籍版を作ってくださっているので、それをホームページで公開しています。また、配布に関してですが、約3週間とありますが、お盆休みを挟みますので8月31日までとさせていただいております。
市長:今回、こういう見直しをしましたので、西宮市のホームページについての見直し作業も始めていまして、皆が欲しい情報を本当に取りやすくするにはどうしたら良いかというのを勉強しましたので反映できるノウハウも出てくるだろうなと思っています。

【自由質疑】
記者:夢工房について、姫路のほうで不正受給の疑いが発覚して県のほうで第三者委員会を立ち上げていると思う。西宮市でも夢工房の保育園が5園あり、中核市は監査権があったかと思う。西宮市としてはどうされるのか。
市長:あれは各園についてですよね。西宮市の園については今のところ不正があったということはないと聞いていまして、その5園に関して直ちに何かをするということではないと聞いている。

記者:芦屋では問題が発覚したのでもう一度監査をしなおすそうだが。
市長:芦屋は法人があります。

記者:芦屋では3園があるので、その分についてもう一度監査をするとのことだ。西宮市としては今のところは想定していないのか。
市長:していません。

記者:議会で広報紙の問題が出ていたと思うのですが、それに関して議長会見があって「国民の代表ではなくて投票した人の代表に過ぎない」としていることを不適切だと言っていたが、その件についてはどうか。
市長:何回も説明しているんですが、説明してもなかなか・・・わざわざ理解しないようにしているのかなと思う。ザイン(あるがままの姿)とゾレン(あるべき姿)なんです、要は。「投票した人の代表ですよ」というのはザイン。「国民の代表ですよ」というのはゾレン。ゾレンを定義付けるというのは憲法であったり法律だと思う。その「かくある」は何か、「かくあるべし」は何か。そうではないと、憲法27条に「国民は勤労の義務があります」と書いていますけれども、じゃあ、例えば、ハローワークに来て仕事を探している人、要は今、勤労していない人は憲法違反の人ですか。そうではないですよね。「仕事をしていない人もいます」というザイン、「国民は勤労の義務を負う」というゾレン。ゾレンを書くことによってザインを律したり、ザインをゾレンで定義付けたり、というのは法律の一般的なものなので。実際に住民の方からの苦情とかもないです。曲解をしようとすればできるけれども、何か「本旨と違うな」というところですよね。これを何と説明するかは、これ以上説明できることはないです。法学上、政治学上のあらゆる説明をしたと思うんですけれども、憲法違反ではないですよと。投票した人の代表である政治家。それをきちんと国民の代表と見なしましょうよということ、もしくは政治家に対しては投票した人の代表だという態度ではなく、国民の代表という態度を持ちましょうというふうに律する。そういう条文ですよね。もっと言うならば、例えばこの兵庫県から末松さんが選ばれました。兵庫県の代表ですよね。兵庫県の人が投票して、代表になりました。でも、末松さんは国会議員なので兵庫県の代表として振舞ってはだめですよね、ということなんですよ。国民の代表です。なので、他所の地域の人からしたときに、「兵庫県から出ている人であって俺らはそんな人は知らん」とは言えませんし、逆に兵庫県から選ばれた議員さんであっても、国民の代表として振舞うべきですよね。それを書いてあるのが憲法43条です。そういう法律の成り立ちの話ですよね。例えば我々が東京で立候補されている方、大阪で立候補されている方に投票できないように、我々は兵庫県にしか投票できません。逆に言うと、投票に行かなかった人というのはその権利すら放棄したことになるわけですから、「あなたの代表がいない」状態になってしまいますよ。もちろん、「あなたの代表がいない」訳ではなくて、憲法43条で「国民の代表」と書かれているわけですから、投票に行かなくても彼らの代表はちゃんと国会にいます。ただ、それは投票した人にとってはどうなんでしょうかね、ということなんです。だから「ザイン」と「ゾレン」についての議論だと思っていて、先ほど申し上げたように、それが憲法違反だと言うとすれば、「ハローワークにいる人は憲法違反の人たちばかりですね」とかいうことになってしまいます。そういう問題じゃないでしょう。勤労の義務を負うということは、勤労していない人を取り締まったりするのか、とか、それは憲法違反か。それは違う。法律とはそういうものです。ゾレンを書く。日本の法律はどちらかというと、日本の思想自体がそういう傾向が強いです。「べき」論で物を語るのが結構多いので法律もそういう性質を帯びている。それは別に、憲法違反ではないですよ。

記者:それに関連して、神戸市長が7月2日付けのブログで、新聞報道を見て、最終的に西宮市の見解は明確な憲法違反であり、早急にこのふざけた見解を撤回すべきだ、と書いています。総務省の選挙部長を務めていた方でもありますが、このことに関してはどのように思うか。
市長:それは、「ゾレン」ですよね、ということです。憲法違反ではないし、ふざけてないし。もっと言うならば、彼は総務省にいたかもしれないが、今は総務省ではないでしょう。今は神戸市長ですよね。僕は市長になって以降、他所の市の市長とかに対して、「あれがどうだ、ああだ」とか、政策に関しても「何市でこんなことをしているけれども、あれはけしからん」とか、それは言いません。それはそれぞれの街で考えれば良いことだから。明確に自分は神戸市の代表ではないですし、神戸に責任はないので。そういったことを書くというのは近隣の市長としていかがなものかなとは思いますけれどもね。ブログに書いてあるわけですから、まあどうぞお好きに、ですけれどもね。

記者:憲法違反ではないと。
市長:憲法違反ではないです。あまりこれ以上、憲法違反ですよと言っていたら、普通に理解している人からしたときに「いつまで言ってるんだろう」みたいなふうになってきますよ。だから、「これは憲法違反だよ」と言われだしてから、ガリレオ・ガリレイみたいな気持ちになってきて、「それでも地球は動いているというのか」みたいな感じで言われているような、そんな気持ちですね。憲法違反ではないです。

記者:選挙の開票事務についてですが、事務局の話では見直すと言っているが、今回の期日前投票が始まったときもそう言っていた。なので、それ以上の根本的な対策が必要なのではないか。井戸知事も苦言を呈されていた。そこで、市長が考えている抜本的な対策があるのか。
市長:大変、申し訳ございません。例えば、「アカンやないか!」と言うだけで解決しないので、「じゃあ、何でそんなことが起こっているんですか」というその状況をきちんと分析させるというのがまず一番だと思っています。「今度やったら承知せんぞ」みたいなことを言い続けても、こうやって繰り返されているので。毎回、何でこんなことが起こったのですか、と言ったら「こんなポカミスでした」と来るわけですよ。「これの不徹底でした」と。もっとちゃんと、「不徹底」ではなくて、「何で不徹底なのですか」と。「あなたたちは、その不徹底を徹底するためにはどうしたいと思っているんですか」ということを選挙管理委員会事務局に厳しく要求しているところです。それを元に、市として、次はまた来年に大きな選挙がありますので、その時にまた同じようなことにならないようにしないといけないし、本当に毎回続いていますのでね。これはやっぱり、異常事態だと私も思っています。なので、現場を叱責するだけではぜんぜんダメで、これまでも報告は受けていたのですが、大体が、「原因はポカミスでした」、という話ばかりだったのでね。もっと言うならば、「そのポカミスをどうなくすんですか」と。これは行政でけっこうあるんですね。「今後、こういうことがない様に」と言って、ひと通り、責任を持った人間が頭を下げて、ということは一般的にするんですけれども、そこに留めていても仕方がないし、彼らを叱責しても仕方がないし。なぜこの様なことが連続して起こるのか、というのを改めて、自分も、なぜこんなことが起こるのかと。「ごめんなさい」と言って自分のところに報告に来るんですけれどもね、「ごめん」と僕に言われても仕方がないわけで、「何でこんなことが起こっているのかちゃんと分析してください」という指示を出しています。まだそれが上がってきていないので、「こういう原因だったので、こういうふうにします」と今、ここで申し上げることはできないですけれども、その分析が上がってきたのを踏まえて、その課題を解決するためにはどういうオペレーションを取るべきか、きちんと西宮市として考えて、それを皆様にきちんとご説明申し上げる。「こんなことがいっぱいありました」、「その原因を究明したところ、こういう所がもっと強化されないといけない」、ないしは「こういう所がミスの元であるというふうになりました。なので、それを徹底するためにこういったことをやります」ということを、その時点ではまた改めて申し上げなければいけないだろうなと思っています。

記者:構造的な問題があるとお考えなのか。また、現場の人間が検証しても同じミスが続くような気がしていて、それを調査するような外の目を入れないと直らないのではないかと思うが、原因を分析するチームなどを設ける考えはないのか。
市長:外部の人は事情がわからないので、投票事務に参加している人、それで言うと職員の多くが選挙事務に従事しますので、選挙管理委員会事務局だけが選挙事務を分かっているわけではない。なので、彼らから上がってきたものについて、他部局で経験のある職員はいくらでも居ますから、そういう職員たちが「そういうことかね?」ということは、いくらでも叩きなおせるとは思いますね。もちろん、彼らからは1つも上がってきていないので、まだ報告というか、検証の結果が。

記者:選挙管理委員会の事務について、市長はどの程度まで関わることができるのか。
市長:職員は西宮市職員の出向ですから。もちろん、権限者は選挙管理委員会ですから、選挙管理委員長もいらっしゃって、ということなんですけれども、僕らがワサワサ触るものではないですが、事務の適正化について検討したりするのを選挙管理委員さんたちにお願いするのは如何なものかと思う。もちろん、選挙管理委員さんたちとも議論はしながら進めるべきとは考えますけれども、先ほども申しましたように、選挙事務に従事している多くが西宮市職員ですから、そういった目で一旦、どういう改善がなされるべきなのかというのは検討されるべきだと思いますね。

記者:主体としては選挙管理委員会だと思うが、どうするのかの話し合いだったりは市として関わるということですね。
市長:もちろん、そうですね。

記者:市長も投票に行くと思う。今は投票所に市長が行ったら緊張感があると思うが、それ以前に投票へ行ったときに、雰囲気が緩んでいるなと感じたり、開票所へ行ったことがあるかどうかはわからないが、開票所でも同じように感じたことはありましたか。
市長:正直、ないです。だから、原因はそこにないと思う。つまり、中途半端な態度で臨んでいるのではないかとか、中途半端な人がそれをやっているのではないかとか、そういったふうな、気持ちの問題とかではないのではないかなと思っていて、やっぱり「こんなん、適当でええやん」と思っている人は誰もいないはず。それこそ、西宮市でそういうミスが続いているというのは従事者全員が知っています。なので、そういうことにならないようにしないとダメだということは、気持ちでは皆持っているはずなんです。皆持ってて、緊張感も持ってやっていると思うんですけれども、だからこそ、仕事のやり様とか、選挙管理委員会事務局の仕事のやり様とか、そういったところに課題があるのではないかなと思っているので、見直しが必要だと思っています。

記者:選挙管理委員会事務局に事務の見直しをするように、市長から指示をしているということか。
市長:まあ、そういうことですね。

記者:いつぐらいまでに出てくるとかいうのは?
市長:早くやって、と思っている。先ほども申し上げたように、こういうふうにミスが続いているので、「ごめんなさい」はすぐに言えても「だから、こうします」というのがいつまで経っても出てこないようでは説明にならないので。早期に出させて、それに対する対応も考えて、「前回の参議院選挙までにミスが続いたことに対しての検証の結果がこうでした」よって、「事務の執行をこういうふうなところを改めます」、それによって次回以降の西宮で行われる選挙について、同じような不適正な執行が行われないように万全を期したいということは、早めに説明をしないとダメですね。

記者:組織体制を見直すということも選択肢にあるのか。
市長:組織体制が問題なのかどうなのか、というところもまだ上がってきていないので。もちろん、そういったものが原因である可能性というのは十二分にあるとは思っていますけれどもね。

記者:西宮市の開票所で415人のうち、派遣が70人いるらしいが、他の自治体で聞いてみると正規の職員だけでやっているほうが多い。どうしても、その場限りの派遣職員だと意識が低いのではないかということで、できるだけ正規職員でやらせるようにしているとの回答があった。派遣を使うことについて、見直すべきだと考えるか。
市長:そういったものが上がってくるかどうかも検証の結果だと思うんですけれどもね。ただ、検証が上がってきていない段階で自分が言うのも何ですが、それ自体が課題なのかなというのは疑問だと思っています。どの投票所でも派遣ばかりで市の責任者が誰もいないという所はないわけですから、派遣の方ではなくて市の正規の職員が携わったほうが良い事務には、確実に正規の職員が付いていると思う。そういったことを考えると、やはりこれは市の職員だけでやらないとダメかな、というふうになるのかなと、疑問には思います。むしろ、そういうので来る人の質が悪いとかは、僕は思っていない。

記者:今の問題意識としては事務局の運営に問題があるのではないかと思うのか。
市長:事務局なのか、投票所のルールなのか。投票所のルールとかにしても、もしくは開票所のルールとかにしても、そういうものに責任を持っているのは選挙管理委員会事務局なのでね。事務局の仕事っぷりなのか、出しているマニュアルなのか、それぞれの現場での仕事なのか、というのがまだわからない。それをよくよく考えてもらわないといけない。選挙管理委員長と委員会の事務局で謝罪会見をして、だけじゃ済まないよということは、かなり申し上げています。

記者:選挙事務に従事する職員を集めて研修会をしているようですが、対象になっているのが投・開票所のリーダーになっている一部の人らしい。これを、全職員を対象に行うべきであるとか、市長の考えはどうか。
市長:いずれにしても、まだ検証が上がってきていないので、課題がどこかというのは自分としては、まずよくよく考えてと言っているので、検証もされていない状態で「これがダメなんじゃないかな」というふうに、オペレーションをこちらで先に考えるようなことはしません。もちろん、上がってきた課題に対応するためのオペレーションというのは、どんどんやっていくつもりはありますけれども。今はその時期ではなくて、まずは検証をしてもらっているという状態です。

記者:来年の大きな選挙とは。
市長:知事選ですよね。それまでは西宮で大きな選挙は、突然、解散とかがあれば別ですけれども、そういうのはないので、少なくともそれまでには万全の執行ができる体制を作らないといけないなとは思いますね。

記者:マニュアルを少しずつ見直しているようだが、だいたいいつもマニュアルではないところでミスをしていたり、マニュアルを読んでいればできたことにミスが出てきたり、ということが多い。再発防止をするなら根本的なところが必要だと思うが。
市長:根本的というのは?

記者:組織の体制であったり。
市長:組織の体制というのは?

記者:人事の見直しであったり。
市長:もちろん、そういうのも検討すべきことのひとつですし、それをするにしても、今時点で今回の選挙ないしはこれまでのミスのあった選挙に携わった職員に検証させないことにはどうしようもないので。

記者:異常事態と仰っていて、非常に危機感を持っていると思うが、ミスが続くことによってどんな弊害が出てくると思いますか。
市長:弊害がある、という問題ではないと思いますね。「弊害はないよ」というつもりはないですけれども、「何に弊害が出るか」ではなくて、事務は適正に執行されなければいけないので、選挙事務のみならず、市役所が行っている事務はすべて適正に行われなければいけないのでね。

記者:中でも、選挙についてはミスがないようにされるべきものだと思うが。
市長:もちろん、そのうちのひとつだと思いますね。ただ、それだったら投票に行かないとか、それだったら立候補しない、とか、それだったら選挙に当選した人を認めない、というふうになったりするかと言えば、それは違うと思う。だから、何に繋がるとかではなくて、そもそもあってはならないことなので、改めて徹底的に検証したいなと思っています。

記者:それは、一般的な市の事務処理としてあってはならないのか、民主主義の根幹である選挙だからあってはならないことなのか、という意味ではどうですか。
市長:どれも重さは一緒です。例えば税を徴収するところのミスがあったら、それだって民主主義の根幹ですよね。税を払うことによって政治が行われる、行政が行われるということ。なので、税金の徴収であったりとかそういったことにミスがあったら、そもそもの信頼が・・・となりますし、財政の執行が不適切だったら、「私たちが払った税金がそんなふうにインチキに使われているのか」、と、まあ、不適正だからということで信頼を失ったり。それと同じく、選挙の事務の執行というのも。それだけが突出して一番だとは僕は思っていません。西宮市役所がやっている事務に、全てだと思っているのですけれども、こういった不適正、失敗がないように万全を期すためにやりたいなと思いますね。自分が市長になって以降でも、この件に限らず「大変申し訳ございません」ということは皆さんに幾度となく色々とありますし、そのたびに「だったら、こういうふうにしなければ」ということはやっています。怒鳴りつけて怒ったりしても意味はないので、それよりは、「ごめんはいいから、それは時間の無駄だし、なぜ起こったのか、ちゃんと説明して」と。「それはどうしたら起こらないようにできるのか、その提案をして」と。それに対して「すみません」と。「いや、すみませんじゃない。俺に謝ってどうするのだ」みたいな話はいつもしています。今回も僕に謝ってくれても仕方がないし、逆に僕が謝ったら済むことか、と言えばそれも違うし。あらゆる事務の適正な執行について検証はしないといけないとは思っています。

記者:ミスによって執務時間が長くなって費用が余計に掛かっている部分もあるのかなと思う。それが一度ならず度重なっていて、それは行政を執行するうえでのリスクととるのか。残業代を払わないとかはできないだろうが、若干、釈然としない。ミスをたくさんして、残業代をたくさんもらって市の税金を余計に使われているということについて市長の考えを聞かせてほしい。
市長:ご理解いただいてお話をされていると思うが、「これはあなたたちのミスなので残業代は出ませんよ」ということは法律上できません。なぜこういうエラーが起きたのかの検証は無給でやれということをできるかと言えば、できませんよね。できないし、その検証するという作業が「無給でやるんだったら適当でいいや」となりがちです。なので、その適正な執行をするのも当然ですし、適正な執行のために検証するのも当然ですし、それを含めてそれに掛かるコストというのは残念ながら使うしかない。それを何とするかは、先ほども申し上げたように、今後ないようにどうするのか、というのが。だから、ただ謝っただけでは、まさしく釈然としないですよね。「あなたが謝っても一銭にもならないよ」というふうにね。ということなので、謝るだけではなくて、「じゃあ、どうやってなくすの」と。今仰っていただいたように、それに掛かる無駄なコストというのはどうやって抑えるのかということを我々はちゃんと合理的に説明できる必要がある。それこそをちゃんとやるべきだと思っています。

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