津波から“命を守る”ために適切な避難方法を自ら考えよう!
更新日:2024年11月28日
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「西宮市津波避難行動指針」とは
本市では、市民や地域団体、事業所、市内在勤者などの皆さまが“命を守る”ために、地域の状況に応じた適切な津波避難の方法を自ら考えていただくことを目的とし、本市の地域特性や被害想定、そして東日本大震災の教訓を参考にした「西宮市津波避難行動指針」を平成29年度に策定しました。
この指針は、南海トラフ地震の発生から、津波が終息するまでの概ね十数時間~1日程度の間における避難行動を対象としています。
指針の主なポイント
(1)3つの避難方法
・水平避難 (鳴尾御影線より北側へ避難する)
・垂直避難 (津波避難ビル等の3階以上へ退避する)
・自宅等待避(鉄筋コンクリート造等の3階以上に居る場合は、その場にとどまる)
(2)南海トラフ地震津波(レベル2)による本市の被害想定
本市で想定されている地震と津波による被害の様子や地域の状況を、地震発生から津波終息までの推移として、まとめました。
「西宮市津波避難行動指針」を市民等多くの方に知っていただくため、概要版としてリーフレットを作成しました。
西宮市津波避難行動指針リーフレット(PDF:17,694KB)
避難対象地域の設定
兵庫県が設定した最新の津波浸水想定区域に基づき、鳴尾御影線以南(一部以北地域あり)の、原則として津波浸水想定区域を含む町を避難対象地域として設定します。
なお、津波浸水の想定は、推定や予測に限界があるため、安全側に考え、避難対象地域は広めに設定しています。
今後、津波警報または大津波警報が発表された場合、市は、この地域を基本に避難指示を発令します。
3つの避難方法について
“命を守る”ために、自らが置かれている状況(お住まいの建物・地域、家族構成等)や、避難種類ごとのリスクなどを考慮して、津波到達時間112分(想定)までに避難を終えるよう、次のいずれかの行動を取ってください。
最大クラスの南海トラフ地震と津波の想定
南海トラフ地震とは、日本列島の太平洋沖、「南海トラフ」沿いの広い震源域で発生する地震のことで、概ね100~150年ごとに発生しています。前回の地震から約70年が経過しており、今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が発生する確率は70%~80%と予想されています。
- 最大震度 6弱
南海トラフ地震による西宮市の最大震度は『6弱』、ゆったりとした揺れが1分以上続くとされています。
- 津波到達時間 112分
南海トラフ地震が発生した後、西宮市には112分後に1メートルの波が到達し、その後繰り返し津波が襲ってきます。
- 最高津波水位 3.7メートル
西宮市の最高津波水位は、3.7メートル想定されています。
- 浸水面積 911ヘクタール
- 浸水区域内の建物数 1万6,800棟
- 浸水区域内の夜間人口 9万4,800人
- 浸水区域内の昼間人口 9万3,900人
南海トラフ地震津波(レベル2)による本市の被害想定
平成26年6月、県は国の想定に基づき、より緻密なシミュレーションを行い、県内の被害想定を取りまとめました。
県の被害想定では、季節や時刻によって被害の様相が異なるため、「冬の早朝5時」、「夏の昼間12時」、「冬の夕方18時」の特徴的な3つのシーンを設定しています。ベッドタウンである西宮市の場合、多くの人が自宅で就寝中に被災し、家屋倒壊による人的被害発生の危険性が高く、津波からの避難が遅れる可能性の高い、『冬の早朝5時』に最も被害が大きくなります。
以下は、西宮市津波避難行動指針に記載している西宮市の被害想定を抜粋したものとなっています。
また、地震発生から津波終息までの被害や地域の状況推移、津波避難のタイムラインについてはこちら(画像:577KB)をご覧ください。
(1)建物に関する被害
全壊:738棟 ※市内の建物の0.7%
半壊:1万4,824棟 ※市内の建物の14.4%
(2)人に関する被害
死亡者:7,664人
負傷者:4,947人
※避難率70%の場合
南海トラフ巨大地震の津波等による死者数は7,664人(避難率70%)と想定されていますが、避難対象者の全員が発災後、すぐに津波から避難をすれば、死者数は47人(避難率100%)に減少することができます。
(3)ライフラインに関する被害
上水道:1日目の断水率:31.4%
下水道:2日目の支障人口割合:99.7%
電 力:1日目の停電率:43.6
ガ ス:1日目の供給停止戸数:10.3%(19,944戸)
詳しくは兵庫県のホームページ「兵庫県の地震・津波被害想定(南海トラフ)」(外部サイト)をご参照ください。
これまでの経緯
近い将来発生が危惧されている南海トラフを震源とする地震については、最大クラスの地震・津波の検討が行われ、平成24年8月と平成25年3月に、国による被害想定が公表されました。
その後、国の想定を踏まえ、県は平成25年12月に、地震動による堤防の沈下などを考慮した浸水想定図を公表しました。
これらを踏まえた市の対策については下表のとおりです。
時期 | 内容 |
---|---|
平成23年6月 | 県は、南海トラフ巨大地震が発生した場合、暫定的に地盤高さ5.2メートルの区域まで浸水する可能性があるとした。市は、JR神戸線以南で津波避難ビルを指定し、JR神戸線以北への避難を呼びかける。 |
平成24年8月 | 国が、南海トラフ巨大地震の発生想定として、震度6弱、津波の高さは5メートルと公表。市は、津波の浸水区域をJR神戸線までで変更せず。 |
平成25年1月 | 市民がJR神戸線以北や津波避難ビルへ避難する「にしのみや津波ひなん訓練」を実施。(4万6000人が参加) |
平成25年12月 | 国の想定に基づき、県がより精緻なシミュレーションを行った結果、津波の高さを3.7メートルと公表するとともに、浸水想定図を示す。市は、想定以上の震災の可能性を考慮し、JR神戸線以北への避難啓発は変更せず。 |
平成29年8月 | 西宮市津波避難行動指針を策定。JR神戸線以北を改め鳴尾御影線以北への“水平避難”、津波避難ビルなどの3階以上へ退避する“垂直避難”、鉄筋コンクリート造などの3階以上に居る場合は、その場にとどまる“自宅等待避”の3つの避難方法を示す。 |
多言語対応
「西宮市津波避難行動指針(概要版)」を英語、中国語(繁体字)、韓国・朝鮮語の3カ国語で提供しています。詳しくは下記をご参照ください。
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