一級水準点の使用申請について
更新日:2024年7月3日
ページ番号:11554045
(制度)概要
本市では地盤沈下の現状を把握するため、国土地理院、大阪府、兵庫県及び関係市から構成される阪神地区地盤沈下調査連絡協議会の決定のもと、市域南部において、1級水準測量を実施しています。測量成果である点の記(測量を実施している標石別に、その標石が存在する場所と、過去から現在までの標高および隆起・沈降の変遷について記載しています)の利用を希望される方は、「水準点及び測量成果使用申請書」に使用目的、測量場所、使用期間、測量計画者(測量の依頼主)、測量作業者(測量の受託者)等を記入の上、環境保全課水質土壌チームまで申請してください。
点の記のご利用にあたっての注意事項
「はしがき」に記載しているとおり、本成果の基準は、国土地理院一等水準点「基21号」と大阪府水準点「上町原標、国分原標」を不動点(与点)とし、阪神地区地盤沈下調査連絡協議会による幹線水準測量の平成30年度成果をもとに、計算基準日を平成30年12月1日に統一して、成果計算を行っています。本測量は典型7公害のひとつである地盤沈下の変動量(=地盤が前回の測量からどの程度隆起・沈降したのか)を把握するために実施しているものであり、不動点は固定(動かないもの)という仮定のもと標高を算出している点をご留意願います。
また、昭和28年度基本測量成果に基づき算出したT.P値(東京湾平均海面)並びにO.P値(大阪湾最低潮位)について、両者の関係はO.P値=T.P値+1.3000メートルとなります。一方、2000年度成果・2011年度成果に基づき算出したT.P値については、(昭和28年度基本測量成果とは前提条件などが異なるため)O.P値との換算は出来ないのでご注意願います。過去に本市が作成していた点の記において、O.P値=T.P値+1.4091メートル(昭和44年度基本測量成果に基づき算出)としていた時期がありました。過去の点の記を参照される際には、必ずその点の記のはしがきを合わせて確認願います。平成24年度以降に作成している点の記については換算ミスが生じないよう、昭和28年度基本測量成果に基づき算出したT.P値とO.P値とを並記して記載しています。
なお、阪神地区地盤沈下調査連絡協議会では、昭和28年度基本測量成果に基づいた平均成果は平成30年度より算出していません。将来的には電子基準点(西宮市内には小松小学校にあります)を元にした測量になっていくものと考えています。
届出書・申請書ダウンロード
地盤沈下の概要と対策
地盤沈下の主な原因は、地下水の過剰な汲み上げにより帯水層の水圧が低下し、粘土層(不透水層)に含まれている水が絞り出され、粘土層が収縮することで地表面の沈下が起こるためです。こうして起きた地盤沈下は、地下水位が回復しても元に戻ることはほとんどなく、建造物の損壊や大雨による浸水などの被害をもたらすことがあります。
本市をはじめとする阪神間の地域は、戦前より激しい地盤沈下を経験してきました。昭和10年ごろから16年頃までは、年間数センチメートル以上の沈下が見られた地域もありましたが、戦後の一時期は、戦火による産業活動の停滞により地盤沈下も沈静化していました。しかし、戦後復興とともに再び地盤沈下が生じ始め、昭和30年頃からは一層激しくなりました。このため昭和31年6月、工業の健全な発達と地盤沈下の防止を目的として、「工業用水法」が施行されました。工業用水法により工業用地下水の採取規制が進められた結果、阪神間では昭和40年頃から沈下量が減少に向かいました。しかし、専用水道などに地下水が利用されるケースが増加し、各地で沈下量の増加が観測されました。
工業用水法では10都道府県、「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」(ビル用水法)では4都道府県の一部が、それぞれ規制対象地域として指定され、工業の用に供する地下水または建築物の冷暖房、専用水道などのように供する地下水の規制採取が行われています。本市においては、昭和37年11月、工業用水法に基づき阪急電鉄神戸本線以南が指定区域とされましたが、ビル用水法に基づく指定地域はありません。
工業用水法による規制は、指定地域内における製造業(物品の加工修理業を含む)、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業で、動力を用いて地下水を採取するための井戸において、揚水機の吐出口の断面積(2台以上あるときはその合計)が6平方センチメートルを超える場合に適用され、井戸の新設にあっては、井戸ごとにそのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積を定めて都道府県知事の許可を受けなければなりません。本市域における許可に係る技術上の基準は、経済産業省令、環境省令により次のようになっています。
指定地域(阪急電鉄神戸本線以南) | 揚水機の吐出口の断面積(平方センチメートル) | ストレーナーの位置(地表面下メートル) |
---|---|---|
(イ)阪神電鉄本線以南で東川以東の地域 | 46平方センチメートル以下 | 220メートル以深 |
(ロ)阪神電鉄本線以南で東川以西の地域 | (1)35平方センチメートル以下 | (1)8メートル以浅又は220メートル以深 |
上記(イ)および(ロ)に掲げる地域以外の地域(阪急電鉄神戸本線以南) | (1)35平方センチメートル以下 | (1)8メートル以浅又は180メートル以深 |
なお、工業用水法については兵庫県庁産業労働部産業振興局工業振興課ものづくり支援班(電話078-362-3334)が所管されています。
西宮市1級水準網図(平成30年度)
上記は平成30年度に西宮市で実施した1級水準測量の路線網図です。
地盤沈下の観測には定期的な水準測量が有効であり、本市においても昭和38年から42年の間は毎年、昭和44年から平成3年までの間は1年おきに実施してきましたが、平成7年阪神淡路大震災の後に実施して以来、水準測量を休止してきました。
しかし、市内の商業施設等で地下水の利用が再び増加する傾向にあるため、平成19年度より1級水準測量を再開しました。測量延長は約110キロメートル(渡海水準測定を含む)で、1級水準点を新規に西宮浜、甲子園浜、鳴尾浜に合計22地点を設置し、国土地理院の1等水準点6地点とあわせ、現在合計109地点にて測量を行っています。平成30年度時点において、西宮市内で年間2センチメートルを超えるような地盤沈下は、埋立地を含めて観測されていません。
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