地域で活躍する皆さんを紹介 No.6
火災・災害から地元を守る消防団

地域で活躍する皆さんを連載で紹介する「地域活動特集」。今回は消防団の活躍を、消防団長と若手消防団員へのインタビューを通してお伝えします。

西宮の消防団とは…地域に献身する735人の熱き勇者

西宮市消防団は、33分団、735人の団員()で構成され、市の消防職員約400人とともにまちを火災から守っています。
団員は仕事や家庭を持ちながらも、定期的に訓練を行い、いざ火災などが発生すれば現場に急行します。なかでも阪神・淡路大震災での消火や救出、給水など献身的な活動は多くの市民に語り継がれています。
現在では、全ての分団にポンプ車のほか、エンジンカッターや無線など充実した資機材が配備されており、高度な消火・救助活動に生かされています。

(注)人数は平成29年1月1日現在

写真:西宮市消防団

絶対に他では得られない経験

「若い人に入団してほしい」
芝辻 泰伸さん
名塩分団木之元班で若手として活躍中。入団7年目。32歳
写真:芝辻 泰伸さん
祖父、父も団員
幼いころから、祖父、父が名塩分団で活動する姿を見ていて、社会人になってから父に勧められ、使命を感じて入団しました。
普段は、毎月、ポンプ車で地区内を巡回したり、北消防署などと合同で、取水が困難な地区や林野火災などの消火訓練を行っています。毎年、名塩八幡神社で行われる「とんど焼き」では、防火のために周囲の木々に放水しますが、地元の行事でも役割を果たしていると実感しますし、地元の人たちと交流が深まるのもうれしいですね。
初めての火災に圧倒された
入団して最初の火災。それがこれまでで一番印象に残っていますね。サイレンを聞いてすぐに父と2人で出動し、現場では炎や煙にものすごい恐怖を感じながら、何をしてよいのか全く分からず、上席の人の指示にただ従うばかりでした。何を考えて行動したのか全く覚えていないですし、撤収した後も何も考えることができないほどでした。その経験もあって、普段の訓練でも緊張感を持ってきっちり取り組まなければいけないと強く思うようになりました。
団員の助け合う姿に心震える
火災が発生したときは、けが人なく鎮火できれば、本当に良かったと心から思います。消火のために多くの団員が集まり助け合う姿には心強さを感じますし、これからも団の活動を続けていこうと思えます。このような“非日常的”な経験は、他では絶対に得られるものではないですし、僕と同じ世代の若い人たちにもぜひ経験してもらいたいと思います。一緒に頑張れる人の入団を期待しています!

大震災で大きく変わった

「訓練の積み重ねが全て」
松本 俊治・消防団長
上大市分団長、甲東地区副団長を経て、平成25年4月から6代目消防団長。79歳
写真:松本 俊治・消防団長
自分たちの力で
阪神・淡路大震災の発生当時、上大市の分団長をしていた私は、必死に甲東地区全体の指揮をとっていました。発災当初は他市からの応援もない状況だったため、地元の消防団が火災を消火し、家屋などの下敷きになった方々の救出にあたりましたが、ただ1人の救出に丸一日を要するなど状況は困難を極めました。
教訓は今も生きている
震災の経験から得た教訓の一つは、有事の際、団員が臨機応変に行動するためには、日頃からの規律正しい訓練が一番大切だということ。もう一つは、消防団と地元(自治会や自主防災会など)との連携が重要であるということ。例えば、避難誘導などを地元の皆さんが担うことで、消防団は消火や救出などに専念でき、互いに情報共有することでより効率的な対応につながります。近い将来、南海トラフ地震の発生が危惧されていますが、沿岸部の消防団は地元の皆さんと連携して、住民の皆さんに津波からの避難を促す避難誘導訓練などに取り組んでいるほか、ボートや救命胴衣など津波に備えた資機材を配備しています。
職員に負けない存在
消防団に与えられた使命は、地域における火災や災害の被害を軽減するため、日頃から訓練を重ねていくことだと思っています。現場では消防職員との連携が不可欠ですから、職員と同じレベルで訓練に取り組みたいですね。このような私たちの思いを理解してくれて、共に活動してくれる人が、たくさん入団してきてほしいと思います。
団員募集 あなたのを!
入団の申込、問合せは…消防局総務課(0798・32・3147)へ!

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