石井市長の「てくて句 歳時記」
今月の一句!
いにしへの あの夏空を 忘れまじ
西宮市長 石井 登志郎
今からさかのぼること78年前、私たちが暮らす西宮市(当時の鳴尾村を含む)は、米軍による10回にわたる壮烈な空襲を受け、甚大な被害を受けました。中でも、8月6日未明の空襲では、200機を超えるB29から雨あられのように降り注ぐ焼夷弾により市内は戦火にまみれ、およそ600名の方々が亡くなられたそうです。平和な暮らしが脅かされ、尊い家族や友人の命が奪われた、想像を絶する事態です。また戦争が終わった後も、食べ物に困窮する中で焼け野原の中を生き抜き、今の西宮をつくってこられた諸先輩方には、改めて心からの感謝と敬意を表するものです。
今年、西宮市は平和非核都市宣言から40周年の節目の年です。世界情勢が不安定となっている今だからこそ、私たち一人一人の市民がかつての凄惨(せいさん)な歴史を思い起こし、平和の大切さをかみしめるべき時なのだと思います。
西宮市では平和資料館の他、市内6カ所に平和非核都市宣言碑を設置しています。碑を目にされた際には、周りの方と話題にするなど、改めて平和について考え、平和への思いを未来に受け継いでいただければと思います。
市役所前の碑。左は広島市から寄贈された被爆石