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2012年2月25日 第1383号

「アサヒビール西宮工場の跡地活用提案書(案)」に基づく公共施設整備の基本構想(素案)を策定
素案へのパブリックコメントを実施中

今年の8月に操業の停止が発表されているアサヒビール西宮工場(津門大塚町)は、市の中心部に位置する10ヘクタールもの広大な敷地であり、その跡地(以下、「対象地」という)の活用は、今後の本市のまちづくりに多大な影響を及ぼすものです。
このため、市は、対象地の活用のあり方やまちづくりの進め方について、「アサヒビール西宮工場の跡地活用提案書(案)」を公表し、アサヒグループホールディングスに示しています。
この提案では、本市の行政課題や対象地周辺の地域課題の解決を図るための公共施設の整備についても検討しています。
このたび、現時点で対象地への整備が望ましい公共施設について、市の考えを「アサヒビール西宮工場跡地における公共施設整備の基本構想(素案)」にとりまとめました。
この素案については、現在行っているパブリックコメントにより頂いた意見を参考に基本構想を策定する予定です。
問合せは政策推進グループ(0798・35・3476)へ。

対象地を取り巻くまちの構造

本市都心部における都市構造のイメージ
図:対象地の周辺地域
対象地の新たなまちづくりには、まず、本市の都市構造や対象地周辺の社会基盤の現状を踏まえる必要があります。
対象地の周辺地域は、図に示す既存の都市・地域核が存在します。その現状は次のとおりです。
対象地周辺の都市・地域核(拠点)の現状
  • 阪神・JR西宮駅周辺…市役所を中心とするシビック(都市)機能と商業機能などが集積する都市核
  • 阪急西宮北口駅周辺…商業、芸術文化、教育などの機能が集積する都市核
  • 阪神・阪急今津駅周辺…深みのある魅力を持ったにぎわいの地域核
対象地周辺の社会基盤整備について
  • 現状…国道2・43号、山手幹線などの道路網が充実し、名神高速道路のインターチェンジとも近いことから道路交通は極めて便利。鉄道についてもJR神戸線、阪急神戸・今津線、阪神本線の駅に近く利便性が高い
  • 課題…南北方向の動線の確保
    • 歩行者や自転車の動線の確保
    • 一次避難地、広域避難地の確保

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新たなコンセプトでまちづくりを

対象地には他の拠点と重複せず、西宮の将来にふさわしい新たなコンセプトを持ったまちづくりが求められます。
一団の地域としてまちづくりを推進するため、対象地とその東部の中津浜線との間の地域を「東部新拠点」と名づけます。
「文教住宅都市」、「環境学習都市」、「災害に強いまち」の理念を実現するため、この新拠点のキーワードを、「環境」、「安全」、「健康」、「にぎわい」、「つながり」とします。そこでは、既存産業の操業環境を守りつつ環境学習都市として温室効果ガスの削減に寄与するCEMS(統合的なエネルギー管理システム)および緊急時、災害時に対応できる一定の空地や備蓄機能の充実を図ります。
また、多世代にわたる人々が集う「にぎわい」を創出できる機能などの整備、導入を目指します。

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新拠点にふさわしい公共施設

本市の公共施設の多くは、高度経済成長期(昭和30年~47年)に建設され、改築時期を迎えています。
新拠点の目指すべきまちのイメージを踏まえ、対象地にふさわしい公共施設は次の条件を満たすものとします。
  1. 東部新拠点のイメージで示された機能を有する施設であること
  2. 対象地を含む周辺地域の課題を解決できる施設であること
  3. 第4次西宮市総合計画において整備・拡充が必要とされた施設(中央体育館、消防署など)であること
  4. 市民ニーズが高く、老朽化に伴う建替えもしくは大規模耐震改修が計画されている施設であること
  5. 公共交通の利便性を重要視する施設であること
  6. 公共施設間で機能面の連携が可能な施設であること
これらの条件を満たす施設を表のとおり構想案としてまとめました。
対象地での整備が望ましい公共施設
施設名
(敷地面積)
主な理由
用地費 建設費等 総事業費
【新設】
多目的・防災公園
(10,000平方メートル)
  • 都市部にまとまった空間を確保することで、安らぎの場を創出できる。また、イベントなどの多目的利用ができる
  • 災害時等の一次避難地として活用できる
  • 他の施設との機能連携により防災機能の充実が図れる
18億1000万円
1億円
19億1000万円
【移転】
西宮市立中央病院
(7,000平方メートル)
  • 西宮市立中央病院移転整備等検討委員会の答申を受けて作成した「西宮市新病院基本構想(素案)」の中で、対象地を移転先候補としている
12億6000万円
76億円
88億6000万円
【移転】
西宮消防署
(3,000平方メートル)
  • 老朽化が進み、耐震化が急がれているため再整備が必要
  • 現地より東に移転することで、管轄域の最遠部にある市東端部の消防活動をより迅速に行える
  • 中央病院と同一エリアに位置することで、救急や災害時等の連携においてより一層の効果が期待できる
5億4000万円
25億1000万円
30億5000万円
【移転】
中央体育館~多目的アリーナ
(10,000平方メートル)
  • 老朽化に伴い大規模改修を控えているため再整備が必要
  • 多目的仕様にすることでイベント等のにぎわいを創出できる
  • 施設内に備蓄・避難所機能を備えることで多目的・防災公園との機能の連携が期待できる
18億1000万円
71億4000万円
89億5000万円
【新設】
共用駐車場
(5,000平方メートル)
  • 共用駐車場を整備することで、利用効率の向上や効率的な敷地の活用を図ることが可能になる
9億1000万円
3億2000万円
12億3000万円
【新設】
南北道路・駅前空間用地
(10,000平方メートル)
  • 対象地周辺において、JR神戸線を横断する道路が少なく、緊急時の避難経路の確保などが課題となっている
  • 大災害時における地区内の避難通路として有効な機能を果たせる
  • 都市計画道路今津東線の将来的な延伸のため用地確保を行う
(19億9000万円)
(1億2000万円)
(21億1000万円)

※事業費はいずれも概算。用地費は路線価より算定

※総事業費の合計金額は240億円(ただし、南北道路・駅前空間については、開発者負担分も含むため合計金額には含まず)

※移転施設の跡地売却費は、西宮市立中央病院跡地が24億8000万円、西宮消防署跡地が3億4000万円、中央体育館跡地が27億9000万円と概算

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素案に皆さんの意見を

市は、素案について次のとおり、市民の皆さんから意見を募集しています。
案は、政策推進グループ(市役所本庁舎4階)、市役所本庁舎1階総合案内所横、各支所・市民サービスセンター、アクタ西宮ステーションで配布しているほか、市のホームページ(市政情報→参画と協働)に掲載しています。
【提出方法】
案への意見、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号を書いたものを郵送かEメールで3月12日(消印有効)までに政策推進グループ(〒662―8567六湛寺町10―3(電話番号)0798・35・3476(Eメール)メール投稿フォーム)へ。持参も可

※頂いた意見は市の見解とともに公表します(個人情報を除く)。電話での意見の受付や個別回答は行いません

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