大切な家族との死別や身体機能の低下、生活環境の変化など、高齢者を取り巻く環境は様々に変化をします。そのような暮らしの中で、うつ状態に陥ることがあり、治療が必要な場合があります。
うつ病と認知症の特徴
うつ病 | 認知症 | |
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感情 | 抑うつ気分が続いている 周囲の状況で変化しない |
悲哀感が乏しい 自分の病状に無関心にみえる |
症状の訴え方 | 記憶障害などを強く訴える 自分を責める、悲観的、深刻 |
症状を軽めに言う 記憶障害を否定する |
記憶・認知障害 | 訴えるほどの低下はない | あり |
質問への反応 | 反応が遅い 正直に分からないと言う |
分からないとき、言い訳をする 質問をはぐらかす、怒る |
時間、場所などの理解 | ほとんど理解している | 理解できていないことが多い |
身の回りの自立 | 自立していることが多い | 困難を生じていることが多い |
症状の日内変動 | 午前中のほうが不調 | 夜間に症状が悪くなりやすい |
自殺を考えること | しばしばある | 少ない |
1.毎日の生活に充実感がない | |
2.これまで楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった | |
3.以前は楽に出来ていたことが、今ではおっくうに感じられる | |
4.自分が役に立つ人間だと思えない | |
5.わけもなく疲れたような感じがする | |
6.死について何度も考えることがある | |
7.気分がひどく落ち込んで、自殺について考えることがある | |
8.最近(ここ2週間)ひどく困ったことやつらいと思ったことがある |
(大野裕:厚生科学研究費補助金障害保健福祉総合研究事業
「うつ状態のスクリーニングとその転機としての自殺予防システム構築に関する研究」報告書、平成14年)
(1)「1~5の項目で2つ以上」 (2)「6~7の項目で1つ以上」 (3)「8に該当」 (1)~(3)のいずれかが、2週間以上、ほとんど毎日続いている場合は、「うつ病」の可能性があります。医療機関や保健所、保健福祉センター等にご相談下さい。この他に、眠れなくなったり食欲がなくなったりすることもあるので、そうした状態が続く場合は、うつ病の可能性も考えてください。
1.飲む量を減らさなくてはと思ったことがある | |
2. 他の人から飲酒を非難され、それが気に障ったことがある | |
3.自分のお酒の飲み方に罪悪感を感じたことがある | |
4.迎え酒をして、神経を静めたり二日酔いを治そうとしたことがある |
もし2項目以上のあてはまる場合、アルコール依存症の疑いが高いと言えます。
あてはまるものが1項目以下の場合も、年に1度の健康診断とアルコール依存症の自己チェックをしましょう。
アルコール依存症から回復するための唯一の方法は、断酒、一滴も飲まないことです。そして、飲酒問題を認めないこと(否認)を克服することが回復への第一歩です。
「もうどうにもならない。ここで自分を変えなければ」と自分で飲酒問題に気付くように援助することが大事です。家族が、本人の為にお酒を買ったり、尻拭いをすることは、本人の為にならないことがあります。共感しながら、アルコールをやめる方法を伝えることが大事です。
また、アルコール専門の医療機関への受診や自助グループへの参加が回復を助けます。