多文化共生を考える
『人権文化の花咲くまち 西宮を目指して』 多様な視点から学ぼう!

写真:星野ルネさん
漫画家・タレント

星野ルネさん


1984年カメルーン生まれ。4歳の時に母の結婚に伴い来日し、姫路市で育つ。タレント活動の傍ら、ツイッター上で発表していた自分の日常のエッセイ漫画が話題となり2018年8月に『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版)として出版。毎日小学生新聞にて「アフリカ少年!毎日が冒険」連載中。
今年2月に西宮で開催した国際理解講座では講師として登壇。

カメルーン共和国の、とある港町にあるバニラ色の砂浜。波に運ばれさまざまなものが漂着している。

あなたは今、どこで、どんな場所で、どんな人々と暮らしていますか?

今の自分をとりまいている環境を全て計算で準備したという人はいないでしょう。

色々な波にのり、時に向きを変え、流れついたのが今の場所と暮らし、そして人々。

幼いカメルーン人の少年だった私の人生に訪れた最初の大きな波は、母の結婚でした。

今の父である、日本人の男性と結婚したことで、日本へ移住することになりました。

自分が結婚を決意する相手が、日本人だった母、カメルーン人だった父、2人の心にも大きな波が流れたことでしょう。

運命の大きな波によって運ばれた地は、兵庫県の姫路市内にある小さな町でした。

生まれ故郷とは言葉も文化も何もかも違う、日本での暮らしは戸惑いや苦労がたくさんありました。

地域の方々も、慣れないアフリカ出身者との交流に迷いや不安もあったでしょう。

地域の方々から色々な形で助けていただきましたが、その中で一番助かったご好意というのがまさに「好意」そのものでした。笑顔でのあいさつなどです。

笑顔で迎えられる以上の贈り物はなかなかありません。私たちは、それぞれ違う場所で生まれ、違う景色を見て育ってきました。互いの違いに、困惑したり、感心したり、衝突したり、感動したり、多様なルーツをもつ我々が共に暮らすと、じつに色々な出来事と出会います。

私たちは違う場所で生まれ、色々な波に運ばれ、そして同じ浜辺に漂着したのです。同じ街で暮らしています。誰にとっても最良の贈り物である「笑顔でのあいさつ」からはじめませんか。

イラスト: 同じ浜辺にたどり着いた住民だから 気持ちの良い笑顔からはじめる

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