これからのコミュニティを考える
健康と笑顔をもたらすゼロエンファーム目神山の取組を紹介

現代社会は人口減少や少子高齢化、核家族化の進行により地域住民のつながりが希薄になったと言われています。社会とのつながりの低下は高齢者の孤独化を招くなど、社会的な問題となっています。
ここでは、甲陽園目神山町で園芸を通じて仲間を作り、仲間と一緒に体を動かし、健康で生きがいを感じる生活を目的としたコミュニティ「ゼロエンファーム目神山」の活動を紹介します。

住み慣れた場所でいつまでも
心も体も元気に過ごすために

「ゼロエンファーム目神山」は平成29年3月に「体を動かし、心を弾ませ、絆を結んで、健康で、生きがいと幸せ、明るいまちづくりをめざす、自分で作るデイサービス」を活動の趣旨として甲陽園目神山町に住む30歳代から90歳代までの7世帯15人により活動がスタートしました。
活動には花や緑などの身の回りにある自然と関わることで障害者や高齢者のケアに高い効果がある「園芸療法」を取り入れています。
私たちの住む地域は、交通の便が必ずしも良いとは言えません。これから年を重ねても充実した日々を過ごすためには心も体も元気でなければなりません。専門家の指導の下で実施する「園芸療法」は、畑を耕し、野菜を育て収穫し、健康にも良い。これをこの地域で実践してみようとメンバーが集まりました。
年に一度は体力と心理状態の測定をして、活動による効果を把握しています。

苗は種から育て
畑も花壇もみんなで手作り

活動拠点はメンバーの自宅裏の山林です。チェーンソーで木を切り倒して畑を作り、簡単な調理や打合せができる小屋もメンバーで協力して手作りしたとのこと。
小屋の設置には建築に詳しいメンバーが経験を生かし、園芸に詳しいメンバーが季節に適した野菜選びや収穫のタイミングを教えているそうですが、作業はメンバー全員で協力して取り組んでいます。
傾斜地には野菜を作るための花壇を作りましたが、手入れに体の負担が少なくなるように、床面を高くしたものを作りました。
昨年の秋には小松菜や水菜を収穫することができました。お茶の木も植えていて、2・3年後には育てた茶葉を使ったお茶が飲めるのを楽しみにしています。

それぞれの役割を生かして
互いを認め合う

メンバーは、年齢もこれまでに従事してきた仕事も違います。活動では、小屋を建てる、苗木を育てる、収穫野菜を調理する、メンバーで使う座布団を作るなど、さまざまな役割を担っていますが、男性メンバーは力仕事を分担して行い、女性メンバーは野菜の収穫や調理を行うなど、それぞれが得意なことを行っています。
メンバーは、これまでに経験してきたことや得意なことを生かしてそれぞれ活動を行っています。これらは誰かに強制されてするのではなく、誰もが他のメンバーのためにと自主的に取り組んでいます。
ファームでの活動は、生きるために必要なことを協力して行うという大切なことを思い出させてくれ、この気持ちを大事にしていきたいと思っています。時には、メンバー間で意見が合わないこともありますが、価値観の違いをお互いに認め合い、何度も話し合うことで解決を図っています。

困ったときに
お互いに助け合える関係

活動を通じて、メンバー間のつながりは強くなっています。メンバーの一人が資材の買い出し中に具合を悪くした時には、連絡を受けた他のメンバーが救急車に同乗したり、家族へ連絡したりとそれぞれがサポートを行いました。また、車がファーム前で脱輪した時には、その場にいなかったメンバーまでもがすぐに集まって溝から車を出そうと力を合わせたり、業者への連絡方法を調べたりしたこともあったそうです。
これまでは、単に同じ地域の住民同士という関係でしたが、活動を通じてメンバーはとても親密になり、気を遣わずにお互いの家を行き来するような間柄が自然とできています。
普段から、困ったことがある時にはお互いに連絡を取り合う関係ができてきたと思います。何かあったときに頼れる、助け合える関係は普段から培ってこなければできず、ファームでの活動のおかげだと感じています。

これからのコミュニティのヒントに

私たちの活動は特別なものとは思っていません。誰とでも、どこでもやれると思います。園芸でなくてもいい、何か目的を持って自分たちで取り組むこと、お互いに思いやる気持ちが大事です。そういうものが培われていくと、いいまちになると思います。友達なら助け合おうと思う、そういう精神が広がってくれるといいなと思います。

詳しい活動の様子は… 西宮コモンズで!

ゼロエンファーム目神山の詳しい活動内容は市のプロモーションサイト西宮コモンズ(西宮コモンズへはこちら)でご覧いただけます

【問合せ】広報課(0798・35・3400)

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