メッセージ「震災で刻んだ全員野球」 永田 裕治

写真:永田裕治さん (報徳学園高校硬式野球部 前監督)
新年あけましておめでとうございます。初めまして、永田裕治と申します。

大社幼稚園、大社小学校、報徳学園中学校、報徳学園高校と西宮で育ち、大学4年間は西宮を離れましたが、卒業後は西宮で居住する生活を続けています。

平成2年より、母校報徳学園高校に奉職し、平成6年4月より硬式野球部監督を務め、昨年3月の第89回選抜高校野球大会ベスト4をもって、教え子に後を託しました。現在は硬式野球部顧問の傍ら、教師として学級担任等々、充実した毎日を過ごしています。

さて、西宮といえば、野球人にとっては「甲子園」です。私は高校3年生の時には春の選抜、夏の全国選手権に出場し、夏の選手権では全国優勝することができました。また、指導者になって23年間、春11回、夏7回の甲子園出場を果たし、選抜優勝1回、ベスト4が4回という成績を生徒たちと勝ち得ることもできました。

しかし、私の記憶に鮮明に残っているのは、平成7年の阪神・淡路大震災です。私も被災し、野球のことなど考えることもできない日々が続き、家族の安否、生徒の安否を確認することから始まりました。震災から2カ月後に開かれた第67回選抜高校野球大会に出場することができましたが、練習もままならない状況の中、指導者として初めての甲子園で1回戦を突破し、感動したことを今でも覚えています。震災の影響で当時は交通網がまだ完全に復旧しておらず、甲子園球場まで生徒たちと自転車で向かいました。その途中、皆様から温かい声を掛けて頂いたことが忘れられません。あの震災直後の選抜大会が、私の指導者人生の糧になりました。辛い状況の中、生徒たちは笑顔を絶やさず一つのボールを追って走り回っていました。その姿を見て、すべての生徒たちに野球の楽しさを教えていかなければと思い、全員野球を信条にしました。

最後に、私の大切にする言葉、4つの「C」を皆様にお贈りします。

一つ目のCは「Chance(チャンス)」チャンスはすべての人にあるという思いです。二つ目は「Challenge(チャレンジ)」チャンスに向かっていくチャレンジが大切です。三つ目は「Change(チェンジ)」チャレンジしてもなかなかうまくいかない場合があります。そのときは方法を変えてみることも必要です。そして四つ目は「Champion(チャンピオン)」チャンスをつかみ、挑戦し、変化を恐れず、人生の勝利者になってもらいたいと思います。

2018年が皆様にとって素敵な1年になりますよう、新春のお慶びを申し上げます。
写真:野球

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