にしのみや歴史見聞録 宮水発祥の地碑(久保町3)
このコーナーでは、西宮の歴史スポットを紹介します
天与の霊水“宮水”
※アクセス…阪神西宮駅下車
南へ徒歩約10分
西宮は「灘の生一本」で名高い全国有数のお酒の産地です。灘酒を全国に広めた要因のひとつに、宮水の使用があげられます。
宮水が酒造用水として名声を博するようになったのは、江戸時代末期に遡ります。
西宮郷と魚崎郷で酒を造っていた山邑太左衛門は、常に西宮郷の酒が優れていることに気付きます。魚崎郷でも優れた酒を造れるように試行錯誤したところ、西宮郷で使用していた「梅の木井戸」の水を用いると、西宮の酒同様の良酒ができることを発見しました。この井戸水で仕込まれた酒は夏を越しても味が落ちず、一段と芳醇(じゅん)になることから、酒造りに欠かせない天与の霊水とされ、「西宮の水」と呼ばれました。それが省略されて「宮水」になったといわれています。この宮水で仕込まれた酒は、江戸の市場でも大好評だったため、他の酒造家も競って西宮に井戸を設けました。
山邑太左衛門が最初に発見した「梅の木井戸」が宮水発祥の地とされ、その跡地に宮水発祥の地碑が立っています。
※見学を希望する場合は、宮水保存調査会(078・841・1101…灘五郷酒造組合内)へ。