平成28年度西宮湯川記念科学セミナー
更新日:2017年1月25日
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開催の概要
西宮市では、日本人初のノーベル物理学賞を受賞された湯川秀樹博士が、かつて西宮市の苦楽園にお住まいになっていた時期に中間子論を構想されたことにちなみ、1986年(昭和61年)から「西宮湯川記念事業」を実施しています。その一環として開催する「西宮湯川記念科学セミナー」では、基礎科学に対する正しい認識と、科学する心を育てることを目的に、専門家をお招きして、最先端の科学を分かりやすく解説していただきます。
平成28年度は下記のとおり開催し、各先生方にご専門分野の最新の事情についてお話いただきました。質疑応答では高校生も含め、多くの方から質問が飛び交いました。
1.日時・講師・テーマ
【第1回】
平成28年12月3日(土曜)14時~16時
京都大学大学院理学研究科 准教授 延與 佳子(えんよ よしこ)氏
「原子核の不思議なふるまいと元素の起源」
私達の体や身の回りにある物質は様々な種類の元素からできています。陽子や中性子という粒子(核子)が数個~数百個集まって原子核を構成し、それを芯にして水素や炭素、鉄、金などの元素が存在しています。今の地球上にいろいろな種類の元素が存在しているのは、宇宙の歴史の中で星が誕生と終わりを繰り返す間に、核子が次第に集まったり離れたりを繰り返しながらいろいろな核子数の原子核が形成されていったからだと考えられています。最近では新しい元素を大型加速器を使って人工的に作ることも可能になりました。原子核という非常にミクロな世界には様々な不思議な現象が見られます。ミクロな世界で何が起きているのか、元素がいつどこで作られたか、そんな不思議に触れてみましょう。
セミナーの様子(延與先生)(1)
セミナーの様子(延與先生)(2)
【第2回】
平成28年12月10日(土曜)14時~16時
京都大学 名誉教授 中村 卓史(なかむら たかし)氏
「重力のさざ波の発見」
普通には「重力」はよく知られている力と思われていますが、実は、いま最もよく解っていない力です。重力の性質を明らかにする突破口となるかもしれない、重力波と呼ばれる「重力のさざ波」が昨年の9月14日に世界で初めて直接捉えられました。その結果、何が解って、これから何が解りそうなのかを、なるべく解りやすく紹介します。
セミナーの様子(中村先生)
セミナーの様子(高校生の質問に答える中村先生)
2.会場
フレンテホール(西宮市池田町11-1 フレンテ西宮5階)
3.対象
西宮市内に在住・在勤・在学の方
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