第22回西宮湯川記念こども科学教室
更新日:2019年10月24日
ページ番号:72034663
令和元年(2019年)9月7日・8日、第22回西宮湯川記念こども科学教室が西宮市立総合教育センターで開催されました。不思議でおもしろい科学実験や、楽しい科学工作が体験できる科学教室に、たくさんの子供たちや保護者が来場しました。
2日間で20のブースが出展されました。
風船電話を作ろう!
風船電話とは、糸電話の糸を風船に変えたものです。子供たちは紙コップに色を塗ったり、絵を描いたり、自分の作品を真剣な表情で作っていました。
そして子供たちは、糸電話と違い、風船電話はどんな聞こえ方がするのかを話したり、風船に耳をあて、音の振動を楽しんでいました。
偏光シートで光の万華鏡を作ろう!!
偏光シート、セロハンテープの性質をうまく組み合わせることで、色のついていない材料で作る偏光万華鏡ができます。
子供たちは、先生に作り方を教えてもらいながら、万華鏡作りにはげみました。
重ねた紙コップの底を蛍光灯の光に向けて、外側の紙コップをくるくる回しながら中を覗き込むと、様々な光の変化が現れ、子供たちは不思議そうな表情を浮かべていました。
ストームグラスをつくろう
ストームグラスは、気温・湿度などで溶液の中の結晶の形が変化する様子を観察することで、19世紀ごろに天気予報の道具として使われていました。
ビンに無水エタノール、樟脳(しょうのう)を入れて溶かした後、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、精製水を入れて溶かします。
そして、50度のお湯で湯せんしながら完全に溶かし、しばらく置くと完成します。
子供たちは、真剣な表情でストームグラス作りに挑戦していました。
顕微鏡をつくろう
肉眼では見えない小さなものを見るときに使うのが顕微鏡です。今回は、ペットボトル、ガラス玉、セロハンテープを使って顕微鏡を作りました。
子供たちは、ペットボトル顕微鏡を光に向け、キャップのガラス玉レンズを覗いて、それを開け閉めしてピント調節し、顕微鏡で観れる物を楽しんでいました。
色が変わる ベンハムのコマ
ベンハムのコマという白色と黒色で不思議な模様がかかれているコマがあります。このコマを回してみると、白黒模様なのに色がついて見えます。
ベンハムの模様を型紙から切り取り、CDに貼り付け、穴をあけ、ビー玉をくっつけて完成するまでを、子供たちは体験しました。自分たちで作ったベンハムのコマを回し、驚きながらも真剣な表情で様々な模様を観察していました。
化石掘りをしよう
化石掘りでは、一見、石のかたまりに見えるものを子供たちは無我夢中で削る様子が見られました。
化石を削ると、中から中生代の代表的なアンモナイトの化石や新生代のサメの歯の化石などが出てきて、子供たちは興奮して喜んでいました。
プラバンを作ろう
熱と力によって、平らな金属やプラスチック板が色々な形に変形します。そして、これらはもとの形に戻ろうとする力があるのです。
この力を内部応力といいます。子供たちは、プラスチックの内部応力を知るため、プラスチック板に油性マジックで自由に絵を描いて、楽しそうにしていました。
オーブンで加熱しているあいだ、自分の作品がキーホルダーになる事を考えながら、嬉しそうに待っていました。
かんたんモーターをつくろう
子供たちは身近な材料でかんたんモーターを作って、回る仕組みを考えました。モーターと聞くと複雑なイメージをもちますが、身近な物で仕組みを理解することができます。
銅線を丸棒に巻いてスパイラル状に曲げ、ラセン形銅線を作り、電池のマイナス極に配置します。
電流が流れている銅線のそばに磁石があると力を受け、銅線がくるくる回ります。子供たちはくるくる回る銅線を見て、保護者とともに大喜びしていました。
簡単ホバークラフトをつくろう
ホバークラフトとは、空気を地面に吹きだす事によって、まるで地面をすべるように動くことができる乗り物です。
子供たちは、簡単な模型を作ってホバークラフトの動きを体験しました。
ペットボトルのふたに穴をあけ、風船をかぶせ、CDの穴にあわせて、ふたを接着剤でくっつけ、CDの裏から風船に空気をいれると完成です。
子供たちは、自分たちで作ったホバークラフトの動きを楽しんでいました。
スライムをつくろう
赤、青、黄色など、色の付いた洗濯のりとホウ砂を、お湯に溶かしてできたホウ砂水溶液を袋の中で混ぜて、数分揉むと、スライムが完成します。
子供たちは、嬉しそうにプニプニとしたスライムを触って、楽しんでいました。
ちりめんモンスターをさがせ!
ちりめんじゃことは、カタクチイワシのことを言います。けれど、海でつかまえる時には、とれるのはカタクチイワシだけではなく、色々な生き物がたくさんとれるのです。実は、普段私たちが食べているちりめんじゃこはカタクチイワシ以外の生き物が取り除かれているのです。
子供たちだけでなく保護者も興味津々にどんな生き物がいるか調べていました。
風船ロケットをつくろう
物が回転すると姿勢が乱れにくくなる現象をジャイロ効果といい、ペンシルバルーン(細長い風船)の先端に細長く切った厚紙を巻きつけるように貼ったあと、
4枚の厚紙の羽を風船にくっつけます。風船の底に指を押しつけて手を離すと勢いよく飛び出し、子供たちは「すごい!」と友達同士で楽しんでいました。
葉っぱの道管師管を探ろう
葉っぱの中の水の通り道である道管と、デンプンの通り道の師管を取りだして、シール作りをする挑戦をしました。
子供たちは、ヒイラギモクセイという木の葉っぱの道管と師管を取り出し、食紅で染色しアイロンで乾燥させたあと、台紙にのせてシールにしました。
ふらふらUFOを作ろう
ビー玉に2枚重ねたアルミカップをかぶせてビー玉の形にくるみ、下を開いてUFOや麦わら帽子のような形にします。
指で少し押して動かしてみると不思議な動き方をします。そのUFOを使って、子供たちは楽しそうにいろいろなゲームをして喜んでいました。
ホシズナで星座を作ろう
南の暖かい地方の海岸で見ることができる星の形をした砂を星砂と言います。
この星砂はホシズナと名前がついた生物の抜け殻のようなものであり、子供たちはホシズナの殻をピンセットで採取し、黒画用紙に貼り、星座の形を作りました。
子供たちは、真剣な表情で星座作りに取り組んでいました。
紙とんぼを作ろう
紙とんぼ作りでは、紙で作った羽の部分に自分好みのデザインを描き、竹串を通して作りました。
自分だけのオリジナルの紙とんぼを、子供たちは友だちと見せ合い、楽しんでいました。
液体窒素の温度の世界
窒素は空気中に78%含まれており、私たちが生活する気温では気体です。しかし、温度をどんどん下げていくと、-196度でついに液体になります。
このように液体になった窒素を液体窒素と言い、これを使って、空気、酸素、二酸化炭素をそれぞれ入れた風船を冷やした実験をしました。
子供たちは、液体窒素の中で萎んだ風船が、たちまち気体に触れると元通りになるのを見て、驚いた表情で歓声をあげていました。
ドライアイスは二酸化炭素のかたまりだ
二酸化炭素は、ものが燃えるとできる気体、無色で透明の気体、空気より重い気体、二酸化炭素の中ではものが燃えない、石灰水を白く濁らせる、どんどん冷やすとドライアイスという固体になる、と教科書に書いていますが、今回はそれが本当なのか調べてみました。
先生がドライアイスの固さを調べるため、包丁で切れるか試したりもしました。子供たちは、興味津々に前のめりで実験を楽しんでいました。
圧力を実験しよう
力は合わせたり、分けたりする事ができます。力を合わせると大きな力になりますが、力を分けるといくらでも小さな力になります。
この力の性質を知った上で、風船を使い、爪楊枝1本と剣山を刺すとどうなるか?という圧力の基本を知る実験をしました。子供たちは、ひやひやしながら爪楊枝や剣山で風船を刺して、実験を楽しんでいました。
粉塵爆発の実験
粉が空気と混ざり合うと、炎に触れたときに熱せられやすくなることで燃えやすい状態になります。
また、粉と空気が接する面積が増えて空気と反応しやすくなるので、混ざり合った空気が炎に触れると一瞬で燃え広がります。
キッチン火災の原因の1つに粉塵爆発も含まれ、どんな条件で、どんな燃え方をするか、子供たちだけでなく保護者の方も話に参加していました。
日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士が、かつて西宮市の苦楽園にお住まいの際、受賞対象となった「中間子論」を提唱された偉業を称え、併せて科学教育の振興を目指して、昭和61年より「西宮湯川記念事業」を実施しています。
子供たちだけでなく、保護者の方も楽しめる科学実験や工作体験ができる「西宮湯川記念こども科学教室」は、子供たちに科学への興味を持ってもらうことを目的に、日本物理教育学会近畿支部と小・中・高等学校の先生方にご協力いただき、平成10年から毎年9月に実施しています。