山口町 秋祭りの勇壮な壇尻(だんじり)をレポ ート!
更新日:2019年10月28日
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総勢350名のクラッカーの様子
由緒ある公智神社で行われる秋の風物詩
西宮市山口町にある公智神社は、平安時代に記された『延喜式』にも登場する由緒ある神社。木材の神様とされる久々能智(くくのち)神を御祭神としています。この公智神社で毎年10月、体育の日の前日の日曜日に開催される秋祭り大祭は、勇壮かつ華やかな様子から、この地域では欠かせない秋の風物詩となっています。特に、各地区のだんじりが御旅所(おたびしょ)をめざして練り歩く勇壮な姿や、公智神社の大鳥居から坂道を駆け上がる迫力満点の宮入り、そして最後のクラッカーを一斉に鳴らすシーンは圧巻のひと言です。
上山口地区のだんじり
スピード感と迫力が抜群の宮入りこそ、だんじりの晴れ舞台
13時頃、各地区のだんじりが御旅所を目指して出発します。どのだんじりも淡路から伝わったと言われているリズムで鉦や太鼓を打ち鳴らしながら練り歩きます。公智神社の宮本である下山口地区の大だんじりを一番手に、小だんじり、上山口地区の大だんじり、小だんじり、金仙寺地区、中野地区、そして最後に名来地区の順で一列に並んで進みます。鉦や太鼓に合わせて練り歩き、道幅いっぱいにもなる関西でも最大級の巨大なだんじりを、「ワッソーライ!」、「ソーレオシタ!」「ソーレヒイタ!」などの掛け声を掛けつつ巧みに曳き回します。
下山口地区のだんじり
だんじりは御旅所で神社の神輿をお迎えした後、神社への帰途につく神輿に続いて公智神社をめざし、再び鉦や太鼓を打ち鳴らしながら進みます。
御旅所での神事
御神輿の巡幸
そして宮入り。神社前の大鳥居まで来たら一旦ストップ。そしてゴーサインが出るたびに、だんじりが一基ずつ勇ましい掛け声をあげながら宮前坂を駆け上がります。そして本殿の階段前で急停止。だんじりをグルグル回転させたり、だんじりの前部を高々と持ち上げたりと、各地区ごとにだんじりの勇壮さを競います。押し手や担ぎ手が本殿にお参りしたら、次のだんじりが宮入りを進めます。
上山口地区のだんじり
金仙寺地区のだんじり
中野地区のだんじり
こうして順番にだんじりが宮入りし、しんがりは名来のだんじり。名来のだんじりは人が担ぐ「舁(か)きだんじり」と呼ばれるタイプ。「駆け足太鼓」のリズムに合わせて宮前坂を一気に駆け上がると、境内入口で引き返し、一度は大鳥居まで坂を降りて戻ります。そして再び宮前坂を駆け上がっただんじりは境内中央で担ぎ手によって高々と差し上げられたあと地面に落とされます。これが、全だんじり宮入り完了の合図となります。
名来地区のだんじり
そして最後に、もうひとつのクライマックスが。すべてのだんじりの宮入りが無事終了したことを祝い、全員が手にしたクラッカーを一斉に鳴らすのです。約350本ものクラッカーが一斉に鳴らされて紅白の紙テープが宙を舞う様子は、得も言われぬ美しさと迫力があります。
秋祭り大祭参加者の皆さんにお話を聞きました
宮入り終了後、秋祭り大祭に引き手や担ぎ手として参加した地元住民の皆さんにお話を聞きました。
上谷和也さん(上山口)は、祭りが無事に終わったことに「寂しいですね。明日からは来年の祭りを楽しみにします(笑)」と、気持ちはすでに来年に。秋祭り大祭は年に一度の大イベントだけに「若い人も参加しやすい雰囲気作りを心掛けています。祭りがあるからこそ世代を超えた付き合いができる。そうした地域の良さを守っていきたいですね」と語ってくれました。
田村甲介さん(下山口)は、7年前に移住してきたそう。「秋祭りには地域の方に声を掛けてもらって参加するようになりました。秋祭りは最高ですよ!山口町は昔ながらの良い近所づきあいがある町。おかげで移住してからの毎日が楽しくてしょうがない(笑)」とのこと。
山本匠さん(下山口)は移住して4年で、毎年秋祭り大祭に参加しているそうです。「この祭りがあるから、山口町に移住することに決めたんです。良い人ばかりで近所づきあいも楽しいし、何よりも自然が多くて子育てには最高の場所。移住を考えている人、特に子育て中のご家族にはおすすめですよ」と笑顔で語ってくれました。
歴史と伝統がある公智神社の秋祭り大祭。興味がある方は、ぜひ来年足を運んでご覧ください。
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NISHINOMIYA COMMONS編集部
公智神社のマーカーリスト
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