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【とおかし図鑑】 Vol.01 「こはく」 ひと箱に込められた想い・美味しさのひみつ

更新日:2021年1月29日

ページ番号:50945779

こはく
「こはく」(南越木岩町)の「宝箱」。昨年度に続いて、とおかしに登場です


「とおかし」とは、西宮神社の十日参り(2月から12月)の際に配られるお菓子のこと。
2017年度から始まった「とおかしプロジェクト」によって、西宮市内の11の和菓子店が月替りでとおかしの制作を担当することになりました。それぞれのとおかしは、毎月10日限定で各店舗にて販売されています。(※詳しくはこちら


この連載「とおかし図鑑」では、市野亜由美(ライター/西宮在住)が、それぞれのお菓子と和菓子店の魅力に迫ります!
第1回は、南越木岩町にある和菓子店「こはく」に伺いました。こはくの「宝箱」は、2018年11月10日の十日参りで配布される予定です!

「寒氷(かんごおり)」の軽い歯ざわり、とろける食感に感激

【とおかし図鑑】こはく
ひょうたんと宝船をかたどった可愛らしいお菓子

思わず「かわいい!」と声があがりそう。霜月(11月)に配られる宝箱は、寒天と砂糖を使った「寒氷」というお菓子です。


口に入れるとスゥ~っととろける食感に驚き。これは、そう、洋菓子のムースや生チョコを思わせる軽さです。
そして、とってもいい香り。青いものは日本酒、黄色いものは栗のリキュール入りだそう。
しっかりと煮詰めてあるためアルコールは飛んでいますが、濃厚な味わいで、日本茶のほか、コーヒーや紅茶にも合います。


酒のまち・西宮らしく瓢箪(ひょうたん)をかたどった青い寒氷は6個入り。
「6瓢」は「むびょう」と読めることから、「無病息災」と掛けてあります。
黄色い宝船のほうは、「(玉手箱を)開けてビックリ(栗)」の意なんだとか(笑)。
美味しい上に、ユニークですね!

「お客さんの要望に育ててもらっている」との想い

【とおかし図鑑】こはく
優しい色あいが目を引くのれんは、京都の帆布のお店にオーダーしたもの

優しい色あいが目を引くのれんは、京都の帆布のお店にオーダーしたものこはくは、苦楽園口通りと北夙川通りの交差点の近くにあります。
2010年3月に小林 教義(のりみち)さん・靖子(のぶこ)さん夫妻がオープン。
当初は、桜もち、酒饅頭、きなこのおもちといった素朴な和菓子を3から4種並べるところからスタートしたのだとか。
現在は、毎日食べられるようなお菓子が6種類ほど、そのほか練り羊羹などの日持ちのするものも用意されています。

【とおかし図鑑】こはく

「たとえば、以前は夏限定で販売していたわらびもちも、お客さんのリクエストで通年出すようになりました。うちはお客さんのご要望があってこそ。小さな店だからこそ、いろいろな声が聞けて、そうしたご要望に育ててもらっている感じです」とお二人は話します。

とおかしプロジェクトへの参加は良い刺激に

【とおかし図鑑】こはく
店主の小林教義さん

同店のお菓子は、お店に併設された厨房で教義さんが全て手作りしています。
毎日午前4時に作業を始め、10時に開店。
完売して閉店するまでをほぼ一人で行います(小林さんご夫妻は3人のお子さんのお父さん・お母さんでもあり、育児とともに靖子さんもお店をサポートされています)。


オープン以降、多忙をきわめていたなか、とおかしプロジェクトへの参加は、お店として新たなチャレンジにもなったとか。
「うちは歴史がないので、『歴史を学びたい、吸収したい』という気持ちがあります。奉納菓子という一つの大きなテーマに取り組めるのはすごいことです。とおかしの記者会見などでほかのお店の方とお会いしてお話することが刺激になります」と教義さん。

「宝箱」は、季節ごとの風味が楽しめる「楽園」の姉妹商品

【とおかし図鑑】こはく

【とおかし図鑑】こはく
「楽園」は、蝶や千鳥といったモチーフがおしゃれな寒氷

実は、とおかしに登場した宝箱は、同店の人気商品である「楽園」というお菓子をアレンジした、いわば姉妹商品です。
楽園は蝶と季節のモチーフをかたどった寒氷がセットになった商品。
春には桜、冬には雪輪。その風味もいろいろ。
そのフレーバーを決める際などには靖子さんの意見がとても役立つのだとか。


「僕はどうしても職人としての常識みたいなものにとらわれがちなんですよ」と教義さんは感じているそうで、「私は食べる側で、もっと風味にインパクトがあるほうが美味しい、とか意見しますね」と靖子さん。
二人でとことん話し合った結果が、美味しさにつながっています。
 

専用の容器入りで、手土産にもぴったり

【とおかし図鑑】こはく
朱色の紙帯がキリリと決まっていい感じ


【とおかし図鑑】こはく
ふたには店名の焼き印

「とおかし」として、毎月10日に販売される「宝箱」。まぁるい折詰スタイルで、寒氷がきっちりと納まる容器は、宝箱のために用意されたものです。ふたには店名の焼き印が入っていて特別感あり! 手土産にも良さそうです。


「10日に楽園を買いにいらっしゃったお客さんが、『これは何?』と興味を持って買っていかれることもありますよ」とのこと。事前予約も受けてもらえます!


*****
「毎月十日はとおかしの日」。 西宮のスペシャルな銘菓を楽しめる特別な機会をお楽しみください。
※11店舗の「とおかし」は、こちらのファイルダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。紹介リーフレット(PDF:2,582KB)でご覧いただけます。


市野亜由美


市野亜由美
西宮市在住のライター。"どこへでも実際に行ってみたい派"です。読者に「私も!」と思ってもらえるような、再現性のある情報を届けられるとうれしいです。好きなジャンルは、食べものやアート

NISHINOMIYA COMMONS編集部
ライター・市野亜由美

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電話番号:0798-35-3400

ファックス:0798-35-3449

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